2020年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29

« ライダーの知恵 | トップページ | 「裁判員制度」にモノ申す! »

2009年7月30日 (木)

「18歳成人」についてモノ申す!

 「エッ 18歳で成人?」「マジ?」そんな声が聞こえてきそうな政府報告があった。

 7月29日に政府の法制審議会部会は、選挙権年齢引き下げを前提に民法の定める成人年齢を18歳に引き下げるとする最終報告をまとめ、総選挙後の法制審総会で承認されれば法相に答申、その後国民投票を経て、早ければ2010年に施行したい考えだ。この決定に対しては、各年齢層で反応はまちまちで、共に賛否両論あり、今後施行までの期間、異論反論さまざまな物議を醸し出しそうな気配だ。

 今朝の情報テレビ番組によると、この「18歳成人制」について、比較的若年層は一様に肯定的で歓迎ムードが見てとれる。これは私にも経験があるが、未成年だと法的に権利や自由が狭められてしまい、その結果、行動が制約されてしまうことが多い。早く一人前の大人として認めてもらいたいという願いからである。しかし一方で、それを不安視する学識者や世代もいる。現代のティーンエージャーは、身体の成熟は早いが、精神面の成長はそのスピードに追いついていない。なぜなら、「ゆとり教育」という、従来の学生と比較して、履修内容が大幅に削減された教育を受けて来た世代であり、、本来学ぶべきはずの基礎学力や一般常識、教養といった社会生活に最低限必要な事項が十分に身についていないからだ。もちろん人生経験が不足し、問題解決能力が乏しいこともあながち否定できない。もし、これを容認すれば、世間に常識の無い大人たちが蔓延るのではないかといった懸念がある。満20歳で迎える成人式で、毎年テレビで良識の無い若者が飲酒して暴れまわったり、式典をぶち壊したりして警察が出動する光景を見たことがあるだろう。20歳でさえあの様なのだから、18歳に引き下げることが何を意味するかは、火を見るより明らかだ。早く大人として認めてもらいたいというのは、若者の都合で、果たしてそれに見合うだけの自覚や素養、責任感といったものを身につけているかと言えば、いささか疑問である。

 また、冷静に考えると18歳と言えば、現役の高校3年生が達する年齢である。今回の議論のメインテーマである、選挙権を与えようという発想は見方を変えれば意義があることかもしれない。高校生であっても参政権が得られることは、それまで縁遠く、他人事としてあまり関心がなかった政治や経済、そして選挙に目を向けることを意味し、私たちの生活に直結する現実の問題として考えるようになり、或る程度の知識も深まるだろう。これには納得できる点もある。しかし、18歳という年齢で一有権者としてその権利を公正な立場で判断し、適正に行使できるのだろうか。単に「投票所に行くのが面倒くさい」という短絡的な理由で棄権したり、「誰がなっても政治は変わらない」などと、最初から諦めてしまって、せっかくの権利を自ら放棄したりしないだろうか。現時点でさえ、20代・30代の若年層ほど投票率は低く、政治への関心は希薄なのである。

 次に、従来「20歳成人」で認められていた権利について考えるとどうだろう。第一に喫煙や飲酒が可能となる。高校生であっても18歳であれば、白昼堂々と制服でもコンビニや自販機でタバコが購入できる。そうなると、法的に認められている以上、校舎内で吸おうがその人(大人)の判断に委ねられ、校則で禁じることはできない。学校側としては喫煙所を設ける必要が出てくるのではないか。身体への悪影響も含めて教育的にどうか。もし校則の範囲内で下手に喫煙禁止を謳えば、同じ18歳でも有職無職少年は何のお咎めもないのに、高校生と言うだけで停学などの謹慎処分ともなれば、法律上ねじれ現象となり、矛盾が生じるだろう。飲酒についても、「部活や勉強疲れに学校帰りに居酒屋でちょっと一杯」とか行事のたびごとに「打ち上げだ」なんてことにもなりかねない。まぁこれは極端な例かもしれないが、生徒指導は至極やりづらくなるだろう。

 第二に、現在20歳で許されているパチンコや競馬など、いわゆるギャンブルが高校生を含めて18歳から可能となる。教室では「昨日パチンコで~万円儲けた(擦った)」とかいう会話が平然と罷り通る。高校生が放課後、制服姿のままパチンコをしている光景は珍しいことではなくなる。教室に馬券が落ちている日が来るのもそう遠いことではない。そうなると、遊び金欲しさに強盗や恐喝、金銭強要といった犯罪を助長してしまうかもしれない。何か末恐ろしい気がする。

 第三に、契約事項に関して親権者の同意や承諾が不必要となり、個人の意思で消費者金融や各種ローンから自由にお金を借りられてしまう。クレジットも保護者の印鑑や年齢制約が取り払われ、衝動買いや無計画な借り入れで借金がネズミ算式に膨れ上がり、返済が滞って、いつの間にか借金地獄に陥り、自己破産や思い悩んだ末の自殺が増える危険性も孕んでいる。株取引も同様である。高校生などは、学業が本業でなので、自ら金を稼ぐという意識も機会も少ない。金銭感覚に乏しい者は、ネット等を介して悪徳商法にひっかかって消費者被害が拡大する恐れもある。親の知らないところで多額の借金を抱え、就学困難な状況となることも容易に想像できてしまう。

 第四に、そもそも成人年齢を18歳にしたということ自体が問題なのだ。これで何かにつけて未成年者を擁護していた少年法の適用を外れる訳で、犯罪を犯した場合、これまでは精神的知能の未発達や本人の将来を鑑みて、新聞やテレビでは実名報道はされないなどの特別措置があった。これが一切排除される訳で、高校生であっても例外ではなく、殺人などの重犯罪では、否応なしに死刑判決と言うのもありえるだろう。また、18歳と17歳は同じ高校生で見た目はそんなに変わらない。喫煙や深夜徘徊で補導するにも判断が難しくなり、取り締まりにも公平性を欠く恐れがある。

 以上ざっとデメリットばかりを述べたが、寛容的な見方をすれば、大人としての自覚が早期の段階から芽生え、自立心を伸長させてくれるかもしれない。「罪を犯せば顔が出る」という意識が備わり、犯罪の未然防止にも一役買うのかもしれない。いずれにしても恐らくは、国民投票を経て来年度早々にも施行となることが見込まれるこの新制度は、公職選挙法、民法、少年法の改正も必要になることから、今後全国民レベルで議論に議論を重ね、周知徹底を図り、誰もが不平不満を持たず、納得した上で導入となることが望ましい。そして施行されたからには、個々が一社会人として責任ある行動をとることを願いたいものだ。

« ライダーの知恵 | トップページ | 「裁判員制度」にモノ申す! »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

現在脳医学的に、物事を判断する記憶すると云った人間形成に重要な前頭葉の発達は22~23歳ぐらいまで続く事が明らかに為っています。
20歳でも未だ人間形成の成長期であるのに18歳に引き下げると云う事は今以上に判断能力未達成の人間に社会的判断責任を負わせると云う事に為るので如何なものか?と思います。

現在18歳です。
ざっとブログを読ましてもらいました。
結論から言うと私は反対です。なぜかといいますと、まぁブログのデメリットの内容と同じです。
自分がそうなのですが18歳と言うものはまだまだ社会というものを解ってないし精神的にも未熟です。
正直な感想を言うと18歳で成人になれるというのはかなり魅力的です。法に縛られる事が少なくなって自由がひろがるのはうれしいです。
自分が高校生の時も、法に縛られ、自由がないというのに不満を持っていて、早く成人したいと思ってました。
しかし、18〜20歳の間が一番重要になると自分は思います。
高校を卒業して、大学または就職といった進路に進んで初めて社会というものに触れて学んで精神的にも一番成長していける期間だと思います。
その期間を潰して未熟なままで成人になるのはいかがなものかと……

まぁ全員が18歳で精神的に未熟とは思いませんが今回の法はもう少し考えた方がいいと私は考えます。

まぁ、一通り大雑把に自分の意見を書いたのでひっかかる部分もあると思いますが……
勝手な独り言申し訳ありません。

ブログをざっと目を通しさせてもらいました。
私は現在18歳ですが、成人式年齢引き下げに賛成です。
世間からは18歳はまだ未熟との声もありますが、18歳なのに未熟でいいのか?
18歳が未熟だとして、20歳の成人式を迎える時までに成長できるのか?
と思います。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ライダーの知恵 | トップページ | 「裁判員制度」にモノ申す! »

福島県の天気


無料ブログはココログ