今は亡き往年の名優たち
私のホームページ「趣味-ING」も、まもなく12月で開設から丸5年が経過する。その間、四季を通じて誰もが手軽にできる趣味について紹介して来た。春はガーデニング(園芸)、夏はツーリング(旅行)、秋はフィッシング(釣り)、冬はスキーング(スキー)、そして一年中楽しめる「日本酒」(テイスティング)についても掲載して来た。4+1の現在進行中の-ingを文字って「趣味-ING」とネーミングした訳だが、その中で、「私の歴代趣味」と銘打って私の人生と共に歩んできた様々な趣味に関しても一覧表にして記載した。また、当ブログに於いて過去に何度かテレビの話題について触れて来たが、今回は私が好きだった往年の名優(俳優・女優)について書き綴りたい。
誠に残念なことに、今年もまた墓碑銘に新たな名前が刻まれた。今年亡くなった方々の特徴として、例年になくビッグネームの大物著名人や各界の巨匠と呼べる方が相次いでこの世を去った。A King of Pop・マイケルジャクソンを筆頭に政界のプリンス・中川昭一、ロック界の異端児・忌野清志郎、絶世の美人女優と持て囃された大原麗子、プロレス界の重鎮・三沢光晴、年末に来て大女優の南田洋子、落語界の巨星・三遊亭円楽、そしてつい先日、芸能界の首領・森繁久彌までもが天国へと旅立ってしまった。やはり、ブラウン管やスクリーンの人とは言え、自分が知っている人や有名人が亡くなることには、一抹の寂しさを感じざるを得ない。しかし、人の記憶と言うのは、次々新しいニュースが飛び込んでると、従前のDATAがきれいに消えてしまうものらしい。したがって、まだ今年が終わった訳ではないが、先ず今年亡くなった方々を回顧してみたいと思う。
1月 政治家・柿沢弘治、フォーリーブスのメンバー青山孝史
2月 アメリカの俳優・ジェームズホイットモア
3月 喜劇俳優・大木実、俳優・金田龍之介
4月 元GS歌手・岡本信、元日本テレビアナウンサー・萩原弘子、タレント・清水由貴子、時代劇俳優・中丸忠雄
5月 ロック歌手・忌野清志郎、作曲家・三木たかし、元韓国大統領・ノムヒョン、作家・栗本薫、作曲家・石本美由起
6月 プロレスラー・三沢光晴、ポップシンガー・マイケルジャクソン、女子マラソン・佐々木七恵
7月 俳優・山田辰夫、ロックシンガー・川村カオリ
8月 元フィリピン大統領・アキノ、水泳界の重鎮・古橋廣之進、女優・大原麗子、政治家・田川誠一、元韓国大統領・金大中、アルペンスキーヤー・トニーザイラー、俳優・山城新伍
9月 漫画家・臼井儀人、V9戦士・土井正三
10月 歌手・津久井克行、政治家・中川昭一、評論家・江畑謙介、歌手・加藤和彦、女優・南田洋子、政治家・堀内俊夫
11月 元広島監督・三村敏之、俳優・森繁久彌
年の瀬に向かうに従って、大物の方が死去した感が否めない。誠に惜しい人達ばかりである。次に、私がこの世に生を受けてから、これまでテレビや映画、舞台などで一世を風靡し、テレビの向こうで華々しく活躍した往年の大スター達の中で、私が個人的に好きだったり、憧れていた、今は亡き名優、歌手、タレントを一挙紹介したいと思う。
1 天知 茂 非情のライセンス、江戸川乱歩の美女シリーズで明智小五郎を演じた。ダンディでニヒルな役どころが多く、存在感があった。
2 萬屋錦之助 忠臣蔵や時代劇には欠かせない存在だった。舌が回らない独特の語り口調が印象的だった。
3 鶴田浩二 仁義なき戦いなど任侠シリーズに数多く出演した。大人の魅力に溢れ、理想的な父親像としても名が挙がっていた。私は「大空港」が好きだった。
4 いかりや長介 ドリフターズのリーダー。土曜のゴールデンタイムの顔。庶民的でコメディの帝王だと思っている。晩年、ダンディズムに走ったが、老練な魅力を醸した。
5 田村高廣 ご存知田村3兄弟の長男。落ち着いた物腰、説得力のある口調はピカイチ。「二百三高地」での乃木希典役はハマり役だった。
6 岸田 森 今では知らない人が多いだろうが、名脇役だ。すっとんきょうな魅力の持ち主。森村誠一シリーズの「腐食の構造」が想い出深い。
7 荒井 注 元ドリフターズメンバーで、脱退後は俳優に転身。脇役ながら味のある役をそつなくこなした。三枚目ながら、コミカルで憎めない役どころは彼ならではである。個人的には「浪越警部」役が最高水準だと思っている。
8 三浦洋一 認知度的には「池中玄太80キロ」の中でカメラマン役が適役。つっぱり風の外見とは裏腹に心優しきお兄さん。若くしてこの世を去った。
9 松田優作 日本のジェームスディーンの呼び声が高い。今でも絶大な人気を誇る。「蘇る金狼」「太陽にほえろ」などのアクションから「探偵物語」などシビアな役どころまで何でもこなした。カリスマ的俳優である。
10 夏目雅子 死後20年以上経過した今でも、光彩を放つ美しき存在。西遊記のイメージが強いが、彼女ほど国民に愛された女優は少ないかもしれない。小柄な体ながらパワフルさと繊細さを合わせ持ち、才色兼備である。若くして亡くなったのが実に惜しまれる。
11 美空ひばり ご存知お嬢。幼少から国民的スターで、「悲しい酒」「お祭りマンボ」「川の流れのように」「愛燦燦」「みだれ髪」など昭和を代表する名曲がゾロリ。歌唱力が際立ち、感情豊かに熱唱し、当代一の表現力は他の追随を許さない。私が最も愛する歌い手のひとり。
12 山岡久乃 「ありがとう」やホームドラマでお母さん役を熱演した。良妻賢母の代表格で、和服がよく似合う。水前寺清子や沢田雅美のお目付け役としてならした。
13 石原裕次郎 日活映画スターとして一世を風靡し、「太陽にほえろ」や「西部警察」のボス役として活躍。渡哲也との名コンビで数々のテレビドラマに主演した。彼も昭和を代表するスターで、甘い声でムード歌謡を席巻した。「夜霧よ今夜もありがとう」「ブランデーグラス」「恋の町札幌」などヒット曲は数多い。晩年は病魔との闘いだった。
14 小林昭二 彼の代表作と言えば、仮面ライダーシリーズの「おっさん」役。飾らない真面目な人柄が偲ばれる。
15 北村和夫 彼も名脇役としてその存在価値は大きかった。「極道の妻たち」や「姿三四郎」に出演し、いぶし銀の役どころを見事に演じ切った。
16 丹波哲郎 刑事ドラマ「Gメン’75」、「スーパーガール」のボス役で大ブレークした。独特の語り口調と神がかり的な渋めの演技は存在感抜群。晩年は教祖的な立場で「大霊界」など死後の世界を如実に描いた作品の制作にも携わり、主役も演じた。
17 坂井泉水 ご存知ポップスグループ、ZARDの美女ボーカル。鼻にかかる甘ったるい歌声が男性諸氏を虜に魅了した。発売する曲が次々ヒット。私も大好きで、ほとんどのシングルCDを持っている。「負けないで」が最高傑作。入院治療中に手摺から転落死したことは、ファンならずとも音楽ファンに衝撃を与えた。
18 テレサ・テン 台湾出身で、「アジアの歌姫」として、1980年代に君臨した。「時の流れに身をまかせ」「愛人」「つぐない」「別れの予感」など今でも女性たちのカラオケの定番になっている。彼女の死因はいまだに真相は謎のままだ。
19 中谷一郎 水戸黄門の「風車の弥七」として月曜夜のお茶の間のヒーローだった。俊敏な身のこなしで、弱い者の味方。危機的状況に陥った時、どこからともなく颯のように赤い風車が飛んできて、その窮地を救う。殺陣も見事。彼が登場すると、安心感が得られた。
20 名古屋章 刑事ドラマのボス役や会社の上司役として存在感があった。カバさんのような風貌と昔気質の演技で脇を固めた。
21 岸田今日子 ドキュメンタリーやドラマのナレーションから声優、女優まで幅広くマルチに活躍した。独特な声と話し方が特徴的で年齢不詳の名脇役の大女優だった。個人的には昭和53年1月日本テレビ系列で放送した「おとこ同志おんな同志」がハマリ役だったと思っている。彼女が亡くなったことは、芸能界の大きな損失だろう。
22 三波伸介 芸人で、第4代目笑点司会者である。絶妙な司会振りは、当時の落語界でも一目置かれる存在だった。私は「減点パパ」の涙脆い人と云う印象が強い。
23 芦田伸介 この人も俳優としての経歴は長い。東京外大出身。当時一世を風靡した「七人の刑事」や「氷点」で熱演を奮った。「サラリーマン金太郎」が遺作となった。
24 鈴木ヒロミツ 彼も往年の名脇役のひとり。刑事役が多かった。野暮ったい感じが当時は受けた。ビートルの屋根をカヌー代わりにして川を下ったCMが評判になった。「夜明けの刑事」「明日の刑事」にも出演した。
25 下川辰平 ご存知「太陽にほえろ」のチョーさん役で有名。板前役もハマリ役だった。
26 荻島真一 ルックスが良いモテ役の二枚目俳優。紳士的で誠実を絵に描いたような存在。彼も若くして亡くなった。大岡越前守などの
27 千秋 実 地味ながら渋い演技で一時代を築いたひとり。私は「昨日、悲別で」のおじさん役の名演技が脳裏から離れない。
28 石立鉄男 杉田かおると共演した「パパと呼ばないで」での「チー坊!」という名セリフがあまりにも有名。アフロヘアーがトレードマークで一風変わった存在感があった。岡崎友紀とのコンビの「奥様は18歳」も当時話題作となった。
29 緒形 拳 どんな役も自分の代表作にしてしまう凄みがあった。時代劇から現代劇まで、映画、テレビ問わず熟練の演技が冴え渡った。 風のガーデンが遺作となった。
30 藤岡琢也 お父さん役がハマり役だった。渡る世間は鬼ばかりでは欠かせない存在だった。
(以上2008年まで)
上記以外の往年の著名人たち
三ツ矢歌子、船越英二、橋本功、淀川長治、三船敏郎、小坂一也、東野英心、東野英治郎、古尾谷雅人、本田美奈子、大坂志郎、東八郎、岡田英次、加藤嘉、山村聰、仲谷昇、尾崎豊、三橋達也、渡辺文雄、戸川京子、岡田真澄、河島英五、村下孝蔵、笠智衆、由利徹、城達也、植木等、芥川隆行、根上淳、水野晴夫、高松英郎、池田裕子、西村晃、中条静夫、ハナ肇、河原崎長一郎、松村達雄、松山英太郎、川谷琢三、牟田悌三、沖雅也、峰岸徹、大原麗子、南田洋子、森繁久彌
こうやって振り返ると、流行り廃りは必然だとしても、時代時代で光り輝いていた銀幕のスターたち。世相や風俗の最先端を行くファッションリーダーでもあったし、憧れの存在でもあった。こうした名優達に憧れて俳優の道を志した人も多いことだろう。華やかな芸能界にあって、異彩を放ち、役者としての地位を確立するには並大抵の努力ではなかっただろう。残念ながら、もう二度と新しい作品に出演し、他の顔を目にする機会はない。一時代を築き、それぞれの場面で活躍した名優たちに敬意を表すると共に謹んでご冥福をお祈りし、結びとしたい。
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