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2009年12月11日 (金)

用意周到 ~備忘録のすすめ~

 病気でもない限り、明日死ぬと思って毎日の生活を過ごしている人はいないだろう。しかし、不慮の事故(交通事故・天災・火災・殺人など)を含め、急性疾患(心筋梗塞・脳溢血・新型インフルエンザ)などで、人はいつ何時命を落とすかわからない状況にある。お年寄りの方の中には、自分の半生や生涯を「自分史」という形で生きた証を残そうという試みをする人もいれば、余命を見据え、近いうちに訪れるであろう死を前もって覚悟すると共に、死後を案じ、予め遺言状という形で意思表示する人もいる。さらには、近年は生前葬と言って、残された子供や孫に迷惑をかけたくないため、生きているうちに葬儀の中身を決めたり、万が一の時を見越して予め連絡する人のリストまで作っている人も少なくないようだ。幾ら何でもどこまでとは些か用意周到すぎないか。しかしながら、現に私の身の回りで、そのことを実感するような出来事が実際に起きてしまったのだ。

 それは平成15年の暮れに、私の父親が急逝した時のことだった。私の父は、昔から大の医者嫌いで名が通っていた。一日に2箱は吸うヘビースモーカーで、自らの不摂生・不養生によって、自分の寿命を縮めたと言って過言ではない。今も忘れはしない仕事納めの日、「お父さんの様子がおかしいから来てくれ」と母親から電話が入り、嫌がる父親を車に乗せ、無理やり当番医の病院まで連れて行った。自分で歩くのもままならず、車椅子に乗せ、何とか処置室のベッドに寝かせて熱を測ってみると、何と40度の高熱。顔からは血の気が失せ、こげ茶色。この時、私は父親の体調が生死にかかわるような重篤な状態だったとは知る由もなく、風邪をこじらせて肺炎でも引き起こし、一日入院して点滴でも打って安静にしていれば大丈夫だろうと高を食っていたが、当直医が専門外の内科医しかおらず、念の為、入院させて様子を見ることにした。しかし、翌朝には、誰にも看取られることなく、息を引き取ってしまったのだ。それが12月29日のことだった。この時、祖父は存命だったが、その後の段取りのすべてを、私の兄と私で仕切らなければならなくなった。まさかこんなに突然に亡くなり、今生の別れをすることになるなんて夢にも思わなかった。まさしく青天の霹靂で、夢と現実の見境がつかないほどだった。ショックのあまり、兄が過呼吸となり救急車で搬送される一幕もあり、私自身もてんてこ舞い。そして、運悪く大晦日にぶつかり、市内の火葬場は年末年始の休業に入ったために、使えず。仕方なく隣町の須賀川市まで遺体を運び、有料で火葬を行った。その後、兄がインフルエンザを患うという不運にも見舞われた。そして、正月明けの悪天候の日に、ようやく葬儀告別式を厳かに執り行った。したがって、この年の年末年始は上や下にの大騒ぎとなった。

 父親は生前、或る組合の理事長や会長を掛け持ちで歴任しており、人脈や交友関係が広く、通夜や葬儀告別式の連絡は一体誰にすればよいのか、どこの葬儀屋に連絡すればよいのか、式場はどこを押さえるのか、葬儀の段取りやお坊さんの手配、送迎、戒名依頼など何もかもが初体験の自分にとって、右往左往するばかりであった。一番大変だったことは、香典袋に書かれた人の名前を見ても、故人との関係が皆目見当がつかないし、葬儀に参列してくれた方々の顔と名前が一致せずに困り果てたことだった。そして死亡届を役場に提出後、色々な場面で名義変更が必要になるし、保険金の請求にしても、どの書類がどこにしまってあるのかなど、当の本人にしかわからないことばかり。後に残された者は苦労の連続で、正直途方に暮れた。事態をより深刻にさせたのは、父親は仕事が忙しく、身の回りのことを整理整頓できるタイプではなかった。財布や時計すら持たず、メガネ(老眼鏡)すら「どこに置いた?」と言っては、部屋中探しまわるような人で、お金はお札をくしゃくしゃにしてズボンのポケットに丸ごと押しこんでいた。自分でもいくらのお金を所持しているのかすらわからない、そんなずぼらで物臭な人間だった。

 一方、私はどちらかと言うと細かく、几帳面な方で、結婚して新居を構えた頃から、一家の大黒柱という自覚が備わって、それこそ15年前の20代の頃から、もしも自分が突然この世からいなくなったり、高度身体障害者になった場合、周りはどうなるのかについて念頭に置き、備忘録(覚書)なるものをメモ書きするようにしているのだ。縁起でもないと言われればそれまでだが、少なくとも私は、父親の例を教訓としてそうするようにしている。では備忘録(覚書)とはいかがなものか。蓋を開けてみれば、それはそんな大そう難しいものではなく、紙と鉛筆があれば誰にでも簡単にできることなのだ。例えば、どこにどの書類が置いてあるか。生命保険証書や印鑑、通帳の在処。名義変更が必要なもののリストアップ。もしもの場合、どこに何を提出すればよいのか。何の変更・廃止手続きをすれば良いのか。カードの所在、暗証番号は幾つで、IDナンバーやパスワード等まで一覧表にすべての情報を記しておけば良いのだ。「備えあれば憂いなし」という諺があるが、これらを実践することで、日々の暮らしにも安心感が生まれ、ゆとりのある日常を送れるのだ。しかし、泥棒が聞いたら喜びそうな情報が満載で、もし、このメモを盗まれたら一貫の終わり。すべてがバレバレ(笑)。

 また、釣りをやるようになってから、往復200km近い距離を運転したり、釣りの最中に予期せぬ高波に襲われたり、不意の地震で津波にさらわれないとも限らない。寝ぼけて防波堤から転落し、溺死という可能性だって十二分に考えられる。更に今年こそは、スタッドレスも新調したことだし、随分ご無沙汰していたスキーにも行こうと考えている。若い頃と違って体力は激減。息切れや心臓に負担が掛けることも容易に想像がつく。いつ死んでも大丈夫なように、あとに残された者が困らないようにしておきたいという老婆心からなのだ。そして年をとれば、今以上に物忘れが酷くなるだろうし、所謂痴呆が進むだろう。したがって、年をとればとるほどこの備忘録(覚書)は、有効的な役目を担ってくれるだろう。ただし、上で述べた通り、極秘の個人情報にあたるため、盗難や漏洩など、その管理を徹底しなければならないことをここで申し添えておきたい。

<覚書の書き方の一例>

①生命保険関係 契約プランの詳細と死亡した時の返戻金額とその手続き方法

②住宅ローン関係 死亡時の支払い義務の有無 団信手続き方法

③職場の退職金の請求方法 死亡時に職場から給付されるお金の一覧(リスト)

 ①~③の書類の所在と印鑑の置き場所

④自動車関係の手続き 任意保険の解除 廃車手続き 税金還付手続き 

⑤火災保険の名義変更

⑥土地建物の名義変更

⑦固定資産税の納税者変更手続き

⑧インターネット・携帯電話の解約手続き

⑨通帳の名義変更→手続きが完了するまで一時差し押さえになる。相続税・贈与税等の対象になる。

⑩公共料金(ガス・電気・水道・電話・NHK受信料・新聞代等)の契約者変更手続き・口座振替の変更手続き

⑪カード関係廃止(解約)手続き クレジットカード、キャッシュカード、暗証番号

⑫印鑑登録廃止手続き

⑬その他必要なもの ETCカード、パソコンの各種IDナンバーとパスワード 会員カード

 意外と挙げればたくさん出てくるものだ。どうだろう、目からうろこ状態だろうか。実際、このようなことが現実に起こり得ることは無いほうが良いに決まっている。しかし、一番怪しいのは、一瞬で人命をこの世から葬り去る危険が高い交通事故だが、何時、自分に不幸な出来事が降りかかって来るかわからない今のご時世である。これで安心を買ったと思えば安いもの(お金は一銭もかかっていないが・・・)である。ぜひあなたも励行してみませんか。些細なことだが、思いのほか不思議と心にゆとりが生まれるものですよ。

 

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