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2010年1月24日 (日)

見せた福島魂!

 ラスト300mからのデッドヒートは、手に汗握る緊張感と興奮とが入り混じり、感動の嵐だった。我が福島県代表チームのアンカー、佐藤敦之選手と駅伝王国兵庫の竹澤健介選手の壮絶なラストスパートは、凄まじいものがあり、最後の最後まで目が離せない見応えがあった。

Ekiden1  ご存知佐藤敦之(さとうあつし)選手は、会津若松市出身で、会津高校から早稲田大学へ進学、箱根駅伝でも活躍し、その後中国電力に入社。今回の駅伝の舞台となった広島市は、まさに彼の活動の拠点で、地元の「さとう~頑張れ!」という大声援を背にしての激走となった。一昨年の北京オリンピックでは調整の失敗で、完走者の中で最下位という屈辱を味わい、その時の自分自身へのふがいなさや精神的ショックもあって、走るのが怖くなり、「このまま引退か」とまで囁かれた。しかし、不屈の精神力で不死鳥のごとく甦り、その後の世界陸上選手権で入賞を果たし、奇跡の復活を成し遂げた。(詳しくは10月23日の当ブログを参照)今回の駅伝では、昨年に引き続き、福島県チームのふるさと選手としてエントリーし、最終7区・13km区間を任され、しかも主将まで務めた。3位でタスキを受けとると、序盤からハイペースで首位の埼玉県を猛追。じりじりとその差を詰め、残り1km地点では待望の先頭に立った。しかし、早稲田大学の後輩でもある竹澤健介選手にラスト300m地点で交わされ、惜しくも2位でのゴールとなった。しかしそれでも、昨年の5位を越える過去最高順位タイの2位、この10年間で最高タイムとなる2時間20分5秒という好記録を残せたのは、彼の粘り、実績なくしてなせる成せる業ではなかった筈だ。隆盛期を思わせる圧巻の走りだったと言えよう。序盤から「勝利」の二文字をしっかり見据え、必死になって追いかける真摯な姿には感銘を受けた。

 一方、壮絶な一騎打ちを制した竹澤選手は、駅伝の名門・報徳学園から早稲田大学へ進学。将来を嘱望された陸上界のホープで、早くから「瀬古二世」として注目を浴び、箱根駅伝では、エース区間である華の2区に1年生から2年連続でエントリー。その後転向した3区で新記録を打ちだし、その区間記録は未だに破られていない。大学卒業後は、大先輩の瀬古を慕って「エスビー食品」に入社し、現在に至っている。彼は、スプリント勝負にはめっぽう強く、ゴール前では佐藤選手が懸命に逃げ切りを図ったが、3秒差で交わされた。その前段階で、彼は終始、先輩を盾にし、背後につくスリップストリーム(風除け)状態で余力を溜め込み、温存していたのが勝因となった。最終区のタスキ渡しでは、ほぼ福島と同着だったので、あと10秒差があれば、逃げ切れたかもしれない。それくらい竹澤選手の賢い読みと勝負強さは光るモノがあった。ゴール直後、佐藤選手と同様、ゴールに向かって深々と一礼し、礼儀正しい一面を覗かせ、更には互いの健闘を讃え合って両者がガッチリ握手を交わす姿はスポーツマンとしての清々しさが滲み出ていた。そしてレース後のインタビューでは、「尊敬する佐藤先輩と優勝を争うようなレースが出来て光栄でした」と先輩を立てる発言は立派だったし、すこぶる好感が持てた。彼は日本陸上界を背負って立つ逸材だと断言できるだろう。

Ekiden2  また、箱根駅伝の伝説の山上りから3週間。疲れが残っているものと懸念された「新山の神」の柏原竜二は3区を走った。7位から3位に順位を押し上げた粘り強い走りも凄かった。3区は社会人も走る実力派区間。そこに殴り込みをかけ、堂々とした走りを展開した。彼はとにかく負けず嫌いと見た。「前へ前へ」という強固な意志が宿り、いわばファイティングスピリットの塊だ。タスキを貰うと、まるで3週間前の再現とばかりに、のっけから激しく追い上げる。一見オーバーペースと思えるような走りで、あっという間に先頭集団に追い付き、躊躇せずに一気に先頭に躍り出た。持ち味の勝気な性格と彼らしい走法を余すことなくいかんなく発揮し、顔を歪めながらも相手を挑発するかのように、何度も何度も相手をチラ見する。途中、鬼のような形相と内臓から胃液が逆流するアクシデントにもめげず、歯を食いしばって力走を続け、最後はオーバーペースが祟り、区間3位となったが、福島県を3位に順位を引き上げて次の4区にタスキを渡した。3週間前の激走を思えば、社会人の強者を敵に回してあそこまで粘り強く闘ったことを思えば、それでも十分満足な走りだった。もっとアップダウンが激しければ、自分のペースに相手を引き込めたかもしれない。それ以外にも箱根駅伝で活躍した選手がこの大会にも続々と出場していた。栃木県代表で駒澤大学4年生のエース宇賀地強や長野県チームでは東海大卒の佐藤悠基らも、ごぼう抜きの快走を見せた。

Ekiden  今日は予想以上の結果に、この第15回全国都道府県対抗駅伝大会に釘付けとなった。つい先週、京都にて16位に終わった女子の分まで男子がリベンジに燃え、頑張り、国民の期待に見事応えてくれたと思う。久し振りに気分が爽快となった。「福島魂これにあり!」と絶叫したい気分だった。ところで、あれだけ地元の大声援を受けたので、佐藤敦之選手は、来年はひょっとすると「ふるさと選手」としてではなく、恩返しを兼ねて広島県代表として走るかもしれない。それぐらい広島市民の熱い声援が嬉しかったに違いない。そして、今回のこの快走をきっかけに、いったんは諦めかけ、脳裏をよぎった引退の二文字を撤回し、ますます一騎盛んに現役生活を続行してくれることだろう。「何はともあれ準優勝おめでとう!」

 今回、東京オリンピックで銅メダルに輝いた往年の名選手・円谷幸吉氏に始まる「陸上王国・福島」の名を再び天下に轟かせてくれた。実力のほどは、間違いなく全国レベルに達している。着実に次世代の選手層が厚くなっていることを内外に示してくれた。後輩達の良き手本、励みとなったと思う。来年は、2年前の箱根駅伝で、「初代・山の神」と呼ばれた、元順天堂大学の今井正人選手やかつてのフルマラソン日本記録保持者だった、社会人「富士通」の藤田敦史選手もエントリーしてくれれば、向かうところ敵なしの状態なのだが。我が福島県にはこのような優秀な逸材が多数存在していることを誇りに思うものである。優勝タイムとは僅か3秒差。ぜひ、来年こそは頂点を目指して貰いたいと思う。やってやれないところまで来ているのだから。とにもかくにも今日は、準優勝を成し遂げた彼らの頑張りを讃え、私自身、今宵は「勝利の美酒」にとことん酔いたい気分である。

 

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