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2010年3月24日 (水)

プロジェクトX ~リーダー達の名言~

Project_x  かつて私が毎週、首を長くして楽しみにしていたテレビ番組があった。火曜日の22時からNHK総合で放送していた「プロジェクトX~挑戦者たち~」である。その番組のコンセプトは、戦後のさまざまな開発プロジェクトなどが直面した難問を、どのように克服し成功に至ったかを紹介するドキュメンタリーであった。無名の日本人リーダーと、それに従い支えた名もなき多くの企業戦士達にスポットを当て、彼等による新製品の開発を巡り、飽くなき挑戦と絶え間ぬ努力、日々格闘する姿を描いた真実の物語であった。そして更には、その成果の紹介がテーマであった。もちろんその道のりは決して順風満帆ではなく、新製品の開発を巡っては、紆余曲折や大きな障壁にぶつかってしまい、途中で頓挫してしまうこともしばしばであった。しかし逆境に挫けそうになりながら、八方塞でどん底の窮地を味わいながらも、不屈の精神力で不死鳥の如くで這い上がり、ふとしたことをきっかけにして活路を見出し、決して諦めずに初志貫徹する技術者たちの懸命な姿。そうした地道な努力がやがて実を結び、最後の最後で大仕事をやってのける感動の物語だった。毎週ビデオに録画して繰り返し見ていた。私自身も仕事で行き詰まった時に、それを見て、どれほど勇気づけられ、励まされたことか。まさに魂を揺さぶられる感動のストーリーが多かったように思う。

 この番組は2000年の3月から2005年12月まで、約5年9か月続いた。放送回数は実に185回を数えた。それぞれのストーリーにそれぞれの熱いドラマがあった。技術者の人知れぬ苦労や成功した時の無上の喜び、夢や希望、汗と涙といった人間ドラマが随所に散りばめられ、それぞれが主人公であると同時に、それはまるで人間社会の縮図のような演出も随所で際立っていた。司会は東大出身の国井雅比古アナと慶應大学卒の久保純子アナ(後に産休に入り、東大医学部出身の膳場貴子アナが代行)のコンビが担当。そして素晴らしかったのは、ナレーションを務めた独特な語り口調が売りで共感を誘った田口トモロヲ。あのゆったりとし、呟くようなナレーションは、森本レオを彷彿させ、一言一言に重みがあった。そしてこの番組に付加価値を与えたのは、オープニングとエンディングに流れる番組の主題歌である。中島みゆきが切ない声で震えながら歌い上げる「地上の星」と「ヘッドライト・テールライト」は圧巻。更なる感動を加えた。かつての谷村新司の「昴」を彷彿させる、その歌詞と曲調は中高年男性の圧倒的支持を取り付け、番組の内容と相まって、記録的なロングヒットとなった。実に涙なくしては見れないドキュメンタリーであったと思う。

 ではここで、私が独断と偏見で選んだ「マイベストセレクション10」を紹介したい。初期の頃に感動的な名作が多かった気がするが、実はどれも秀作揃いで、「DVD化」された作品も決して少なくない。

 1.第 2回「窓際族が世界規格を作ったVHS・執念の逆転劇」(2000年4月4日)

 2.第39回「不屈のドラマ 瀬戸大橋」( 2001年 2月6日)

 3.第53回「炎上 男たちは飛び込んだ」(ホテルニュージャパン火災 2001年5月22日)

 4.第 3回「友の死を越えて 青函トンネル・24年の大工事」(2000年 4月11日)

 5.第14回「厳冬黒四ダム 断崖絶壁の輸送作戦」( 2000年6月27日)

 6.第21回「東京タワー 恋人たちの戦い」(2000年9月5日)

 7.第28回「ロータリー47士の戦い 夢のエンジン・廃墟からの誕生」(2000年11月7日)

 8.第83回「国産コンピューター ゼロからの大逆転」(2002年4月9日)  

 9.第30回「つっぱり生徒と泣き虫先生」(11月21日)

10.第36回「奇跡の心臓手術に挑む」(バチスタ手術 2001年1月16日)

 第1位に推挙した、「ミスターVHS」と呼ばれた日本ビクターの高野鎭雄の物語は感動の連続だった。業界8位の業績に低迷していた会社で、一年やれば首が飛ぶとまで言われた窓際部署に47歳で配属となり、VTR事業部長として幾多の困難に立ち向かい、僅か3人の技術者と本社に内緒で密かにプロジェクトを結成。4年に及ぶ開発の末、VHS方式を展開。ソニー・東芝を中心とするベータ陣営と壮絶な販売合戦の末に勝利し、VHSの名を天下に、そして全世界に轟かせた。会社自体も総販売額の70%をビデオが売り上げる一大拠点に育て上げた。彼が何より凄いのは、窮地に追い込まれ、会社からリストラを迫られ、業績不振で叱責されてもなお、部下270名の誰ひとりとしてリストラせず、社員を守り抜いた「人こそ命」という基本精神を貫いた人間性にあった。人望が厚く。彼を慕って多くの部下が集まり、ビデオ事業の職務に専念した。最終的に1986年に副社長に就任した。彼は副社長退任の二年後に肺がんを患いこの世を去った。高野の棺を乗せた霊柩車は、寺へ向かう途中、長年苦労を共にしたVHSの開発工場だった横浜工場へ立ち寄った。クラクションが何度も鳴り響く中、全社員が見送りに勢ぞろいした構内をスピードを落として車は周回した。誰もが深々と一礼し、涙で顔は濡れていた。構内の中央に差し掛かった時に、一枚の手書きの横断幕が掲げられた。そこには「ミスター・VHS・高野鎭雄さん ありがとうございました。安らかにお眠りください」。その幕の横をゆっくりと通過する霊柩車。私もその画面を見て、大粒の涙が止めどなく零れ落ちた。そして武者震いが全身を包み込んだことを覚えている。果たして自分は、彼のように人に愛され、世の中の役に立ち、何かを成し遂げれる人間で一生を終えることが出来るだろうか。そう考えた時に、「この世でやり残すことがないよう精一杯生きたい」という、いわば「生きる力」がひしひしと込み上げて来たのだった。

 次に、番組の節々で紹介された「リーダー達の言葉」を紹介したい。

  • 「とにかくやってみなはれ。やる前から諦める奴は一番つまらん人間だ」
  • 「とにかく困難に挑戦してそれを例えばやり遂げます。その時の嬉しさというのはちょっと比類がない」
  • 「男は一生に一度でいいから、子孫に自慢できるような仕事をすべきである」
  • 「すべての開発は感動から始まる」
  • 「挑戦者に無理という言葉はない」「お前は限界に挑戦していない。欠点が見えてどうしようもないくらい考えろ」
  • 「情熱を持ったプロフェッショナルになれ」「不安を取り除いてくれるのが情熱だ」
  • 「夢中でしたね 夢中っていうのはたいへん素晴らしいことだと思う」「神様がね こんな素晴らしい人達を私の周りに置いてくださった」「ぜひ皆さんも、何でもいいですから夢中になってください」
  • 「どんな仕事でも本当に打ち込んでやっていれば自分の天職になるかもしれない」
  • 「おいみんな、北海道に行くぞ。ここが約束した北海道だぞ」
  • 「いつかはみな死ぬ 今は苦しくても死ぬ時に誰も出来ないことをやったと思えたらそれでいいじゃないか」
  • 「部下がついてくるかどうかは、リーダーが苦しんだ量に比例する」
  • 「部下の幸せのために上司はいる」
  • 「医者というのは患者のためにいるわけで、医者としての地位や名誉などどうでもいいことです。大切なのは、医者が患者から見捨てられないようにすることです。」
  • 「技術の前には、上司も部下もない。俺にアイディアをぶつけろ」
  • 「偉大なる人生とはどんな生活を言うのか。これは非常に難しい問題でありまして、瀬戸大橋をつくるより遥かに難しい。」
  • 「思いは叶う。努力する人間を運命は裏切らない。道は必ず切り開ける。」  

 どれもこれも魂に響く名文句である。私はついその本を買ってしまったほどだ。そういえば最近、体の底から沸き上がるような希望や浪漫を伴う震えがめっきり影を潜めてしまった。若い頃は燃え上がる情熱や夢があり、「やってやろう」という気力に満ち溢れていた。「攻めの姿勢」を遠い昔に忘れていた気がする。不惑をとうに過ぎ、どうやら守りに入っていた自分になっていたことに気づいた。もう一度自分自身を奮い立たせ、燃えるような生き方をしたいと思う。自分自身を見失わないために・・・。

 最後に、人生において私を勇気づけてくれた二つのテーマソングを掲載して結びとしたいと思う。

 ~地上の星~

 風の中の昴 砂の中の銀河 

 みんなどこへ行った 見送られることもなく

 草原のペガサス 街角のビーナス

 みんなどこへ行った 見守られることもなく

 地上にある星を 誰も覚えていない

 人は空ばかり見てる

 ツバメよ高い空から 教えてよ地上星を

 ツバメよ 地上の星は 今どこにあるのだろう

 

 ~ヘッドライト・テールライト~

 語り継ぐ人もなく 吹き荒ぶ風の中へ

 紛れ散らばる星の名は 忘れられても

 ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない

 ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない 

 足跡は降る雨と 降る時の中へ消えて

 称える歌は 英雄のために過ぎても

 ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない

 ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない

  

 付記

 プロジェクトXファンの皆様に、懐かしく回想出来るサイトを見つけましたので紹介します。 「我ら地上の星」→ http://www.marubaku.com/nyaomic/projectX/  

 

 

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