「テレビ東京」の実力
我が福島県では、「テレビ東京(TV-TOKYO)」の放送はネットしていない為、リアルタイムで見ることは出来ない。現状は週末の限られた時間帯にしかお目にかかることが出来ない。しかし、どちらかと言えば「良いとこ獲り」のような感じなので、私としては嬉しい限りである。日本が誇る民放の4大ネットワーク局(キー局)であっても、視線を釘づけにするような興味深い番組もあれば、電波が勿体ないと感じる下劣なものも数知れない。そこで「テレビ東京」の特異スタイルとも呼べる番組作りが、そうした隙間を埋めてくれる格好の材料になる。唯一不満なのは、「釣りロマンを求めて」を福島県では放送しないことくらいか。ところで「テレビ東京」と言えば、昔は「東京12チャンネル」という名前だった。所在地は東京タワーの近くにあって、文字通りチャンネル番号は覚えやすい12。25年ほど前までやっていた「ヤンヤン歌うスタジオ」は毎週土曜日に欠かさず見ていたし、徳光和夫の「TVコロンブス」も好きだった。また、つい最近まで放送していたココリコ主演の「ミリオン家族」もすこぶる面白かった。特に自宅やデパートや大型家電店、テーマパークや島まるごとを使ってかくれんぼをするのは圧巻。逃げ切れたらガチで100万円が手に入るのだから、その驚くべき仕掛け(トラップ)や隠れ場所の制作も凝りに凝っている。以前にも何度か「テレビ東京」の愛すべき番組の数々を紹介したが、今回は現在も地元福島のテレビ局で放送している幾つかの番組をピックアップし、ランキング形式でその魅力に触れてみたい。
1位「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ」毎週日曜日13時(FTV)
所ジョージと大橋未歩がコンビで番組を進行。清水ミチコ、アンジャッシュ、東貴博らが脇を固める。レポーターで出演する松井絵里奈も底抜けに明るくて個人的には大好きだ。疑問解決コーナーや島ダス、深海ハンター、デンジャラスハンターなど見どころは十二分にある。これまでユニークな車大集合、鍾乳洞などの洞窟探検、深海魚など幅広く紹介して来た。結構勉強になる。「未歩の甘~い疑問」も好きなコーナーだ。毎週欠かさず予約録画している。
2位「いい旅夢気分」BSJかFTVの時間帯は不定期
これは私が学生時代から続いている長寿番組。何と番組開始は1986年で24年の歴史を持つ。東京に住んでいた頃に始まり、私自身これを見て訪れた観光地は数知れず。ローカル(路線)バスの旅や季節を通じて花が咲き誇る旬の名所を紹介する。毎回3人組のゲストが番組の主旨に則ってその土地の風景や珍味などを見つけて、知られざる名所を探り出していく。どちらかと言えば関東地方(伊豆や房総が多い)を中心にその近辺が多いのだが・・・。旅のヒントやその場所を実際にこの目で見てみたいと言う衝動に駆りたてられたものだ。
3位「開運なんでも鑑定団」毎週日曜日正午(FTV)
これも10年以上続く。当初から島田紳助、石坂浩二、吉田真理子のトリオが番組を進め、松尾伴内、住田隆が地方へ出張してお宝鑑定を仕切る。特に凄いのは、鑑定士軍団の経歴。さすが目利きと唸らせるだけのことはあり、確かな目もさることながら学歴もまた凄い。安河内眞美は上智大学ロシア学科を卒業した才媛。ブリキのおもちゃ博物館の館長を務める北原照久もまた青山学院大学出身。スポーツ万能でスキーはプロ級。三浦半島の付け根に白亜の豪邸を建てて海に面した場所で暮らしている。やはり説得力溢れる話口調は、裏付けされた知性がなせる技だったということだ。
4位「空から日本を見てみよう」隔週日曜日15時(TUF)
これは去年くらいから注目している番組。タイトルの通り、上空から町の様子を眺めて、気になる風景や変わった形状の建物を取り上げる。くもじい(伊武雅刀)とくもみ(柳原可奈子)のナレーションで進む。毎回テーマがあり、山手線一周や京浜東北線沿線、東京湾一周などを上空から散策し、珍しい建物があるとそこで寄り道し、取材する形式。これまで建物が蔓性の蔦や葉で覆われたもじゃもじゃハウスや狭小変形土地に建つ三角形の建物の角度を調べたり、また、屋上に増設したようなプレハブなどのハウス、公園などで見られるアニマルの造形物もチェックポイントとなっている。結構楽しい。
5位「出没!アド街ック天国」毎週日曜日15時30分(KFB)
愛川欣也と売り出し中の「テレ東」局アナの大江麻理子がMCを担当。1時間番組で30位からカウントダウンしてその街の名所を紹介するエンターテイメント番組。「薬丸印の珍名所」や街角の女性を一堂に会してファッションを紹介する「~街コレクション」など見どころは多い。やはり関東一円が中心だが、時々全国の有名観光地にロケに出る。我が福島県では、会津若松を紹介した。
6位「ザ・フィッシング」毎週水曜日深夜0時59分(FCT)
平日の深夜放送なので、いつもビデオ録画し、時間が空いた時に見るようにしている。船釣りや釣れるポイントばかりで取材することが多く、私にはあまり参考にならないが、それでもヒットした瞬間の魚とのバトルは見応えがある。特に、DAIWA(現グローブライド)専属のプロアングラー達の熟練の妙技は必見の価値あり。強面だが最強テクの持ち主・大塚貴汪、小田原出身で海のすべてを知り尽くしている村越正海、小柄な大物ハンター秋丸美帆などが毎週奮闘する。堤防釣りは釣果が少ないせいか、敬遠されがちだが、たまにカレイ釣りを披露する時は欠かさず録画ムーブする。最近は「ツーリーズエンジェル」の登場で番組も華やかさを増した。村越の織り成す新釣法や投げ釣りとサビキの融合技なども興味をそそる。
7位「ドライブA GO GO!」土曜日19時(BSジャパン)かFCT
こちらもトヨタの新車のPRを兼ねて、男女のペア(コンビが出演の際は3人)で出演し、関東近郊のドライブをし、名産を紹介して歩く番組。「いい旅夢気分」の30分縮小版だが、車での移動に徹しているところで他と一線を画している。したがってノンアルコール。観光スポット紹介というよりも食べ物にウェートを置いている感じだ。
8位「ドラマ24」土曜日2時30分頃(FCT)
毎回10話程度で完結するドラマを放映している。2005年の「嬢王」から始まり現在の「モテキ」まで20作品が制作された。FCTではまだ「マジすか学園」を放送している。AKB48が体を張った演技を繰り広げている。昔懐かしい1980年代のツッパリ・スケバン時代を彷彿させるような作風。これまでちょっとエッチ(ムッツリではなくソフトタッチ)な感じの番組が多かった。2ndハウス、怨み屋本舗、BOYSエステ、コスプレ幽霊、湯けむりスナイパーなどである。深夜の時間帯なので、たまに気に入った作品があれば録画して見る程度。
9位「世界を変える100人の日本人」(土曜日14時頃)
三宅裕司とさま~ずの三村マサカズが司会を担当している。番組コンセプトは、日本人でありながら外国で生活し、世界に誇る業績や功績、偉大な足跡を残した人を紹介する。「プロジェクトX」と「知ってるつもり?」にも似た感じ。印象に残るのは、やはり天才脳外科医・福島孝徳だろう。彼は脳腫瘍除去のスペシャリストで、これまで何人の医師に見放された患者を救ったか知れない。70歳になりながら、現在も第一人者で、365日中、300日はオペ室にいて、一日3件の同時手術などはザラ。世界各国を移動し、東大医学部卒業後、単身アメリカの渡り、アメリカの大学の学位を取得し、そのまま教授へ登り詰めた。日本にも彼の功績を称え、「福島孝徳記念病院」という脳手術専門の病院まで設立された。彼が健在のうちは良いが、いずれ高齢となり、体の自由が利かなくなるので、早く彼の神業とも言われるメスさばきとマイクロサージェリーオペレーターなる後継者を育ててほしい。
10位「完成ドリームハウス」不定期(FCT)
こちらは家を建てる前、すなわち計画段階から始まり、約3ヵ月間工事に密着し、当初予算と完成時の予算も公開する。この手の番組は、「劇的リフォーム・ビフォーアフター」でお馴染みだが、新築物件という点で異なる。間取りや実際のレイアウトや家具まで暴露してしまい、プライベート部分まであけすけ状態だが、番組で建築家に支払う設計デザイン料は番組持ちらしい。テレビでやる以上は建築士も普段より気合が入るし、粗悪な材料は使えない。無論、手抜き工事などしたら信用を失うことになる。自分の夢のマイホームが完成するまでの経緯が映像で残せるメリットもある。
私自身は、魅力的な番組が目白押しの「テレビ東京」党である。10chの某放送局よりも断然面白くて為になる番組作りをしている。BSJはリアルタイムで見ることが可能だが、地デジ放送も、もっと県内各局でネットして欲しいところだ。以前も書いたが、県内に4局ある放送局はそれぞれ日テレ系がFCT、フジ系がFTV、TBS系がTUF、テレ朝系がKFBと相場が決まっているが、この「テレビ東京」制作の番組は、どこの放送局でも放送権料を払えば自由にネットできるらしい。これまでは、地方では隙間埋め専門だった感が否めないが、もはや見て触れて十分楽しめる魅力的な番組が多いと思う。テレビ東京スタッフには、卑屈にならず、自信を持って番組作りに専念して貰いたいものである。
« 東北地区限定CM | トップページ | 福島県ゆかりの女子アナ »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 特別掲載「2020年春、福島テレビを退社した小田島愛アナウンサー」(2020.04.10)
- 2019年春・福島を去ったアナウンサー(2019.03.30)
- 世紀の脱出王日米対決(2018.03.20)
コメント