ブラックユーモア100連発!
その昔、私が20代の頃、「嘉門達夫」というパロディシンガーに嵌った時期があった。「ゆくゆけ川口浩!」や「小市民」、「替え歌メロディー」などがその代表作だが、彼の作風は一種独特で、世にない物を新規に生みだす創造性はピカイチだったし、笑いにかけては綾小路きみまろの遙か上を行っていた。やや世間を痛烈に皮肉った毒舌漫談っぽい印象だが、私が好きだったのは、「あったら怖いセレナ~デ」という歌だった。一節を紹介すると、「包丁のつかみ取り」、「全力疾走する大名行列」、「時速300キロで廻る回転寿司」、「千手観音の往復ビンタ」など、確かにあったら怖い、思わず背筋が凍り付く思いと共に、思わず「プッ」と吹き出してしまうネタのオンパレードに圧倒された。こうした彼の英智には脱帽だし、それを歌にしてCDに収録しようと言う試みには勇気を感じる。爆風スランプの「無理だ!」という曲も同じ路線だった。それは、ちょうどバブルの頃で、どんなコンセプトであっても、「世間が求めている像と一致すれば売れる」、そんな不可思議な時代の産物だったのかもしれない。そしてそのようなネタのルーツを辿れば、昭和50年代に一大ブームを巻き起こしたラジオの「深夜放送」に、その原点があるような気がしてならない。夜な夜な人気DJが織りなす軽快な話術とリクエスト曲の数々、そして、どの番組にも名物コーナーがあった。とりわけ私は、土曜日深夜放送の「鶴光のオールナイトニッポン」が大好きだった。「わんばんこ」の挨拶で始まり、時代を反映するような人気コーナーを次々と世に送り出した。「小拙1・2」、「アホの子大集合」、「・・・のようなもの」、「いちゃもん歌謡曲」、「当てる気のないハガキ」、「この歌はこんな風に聞こえる」、「何となく笑えるコーナー」、「なにそれ文」、「田舎もんのコーナー」、「似たもの同士」、「初体験」、「本音とタテマエ」、「あいうえお作文」、「ミッドナイトストーリー」など。考えてみれば、当時一世を風靡した視聴者参加型の番組において、今の芸人の基礎を築いたとも言えるギャグを連発していた。そして「K・Kベストセラーズ」や「扶桑社」から本として発売され、ベストセラーになったコーナーもあった。例えば「驚き桃の木ビックリ話」のコーナーから生まれたのが「死んだ医者の呪い」は「寝台車はのろい」に聞こえる、とか「恐怖の味噌汁」は実は「今日麩の味噌汁」、「悪の十字架」は「(店が)開くの10時か・・・」などと聞き違いを元にし、それらをパロディ風にまとめ、それらが言葉遊びとして流行語にもなったほどだ。
ところで、私はこうした「どーしよーもない」くらい低俗で、奇を衒うような、なおかつ風変わりな歌が大好きだったし、笑点のなぞかけやペケポン川柳などの言葉遊びも大好きだ。今は「整いました!」の名セリフで一躍有名になったWコロンのねづっちが第一人者のような感じでその業界を席巻しているが、実は或る一定周期で、このような言葉遊びやダジャレ、サラリーマン川柳などがちょっとしたブームを巻き起こしている。「やすきよ」や「ツービート」、「紳助・竜介」、「B&B」、「ざ・ぼんち」、「のりおよしお」、「コント赤信号」等が作った一時の漫才ブームも、約25年ほど前にいったん下火になり、新たに世代が替わったこの5年間、NHKの「お笑いバトル」や「エンタの神様」、「レッドカーペット」、「M-1グランプリ」、「ザ・イロモネア」などの番組が登場し、高視聴率を維持するまでに回復した。コントやパロディを中心に次世代の若手芸人が闊歩する時代を迎えたが、そうした番組も、時代風潮と共に、ごく最近になって放送打ち切りの憂き目に遭っている。どれだけ多くの芸人が彗星の如く登場しては消え去っていったことか。代表的な芸人には、テツ&トモ(何でだろ~)、ダンディ坂野(ゲッツ!)、ムーディ勝山(♪チャッチャチャラッチャ~)、小島よしお(そんなの関係ねぇ~、はいオパビー!)、それ以外にもエドはるみ、桜塚やっくん、長井秀和、アクセルホッパー、摩邪コング(まちゃまちゃ)、小梅太夫、にしおかすみこ等がいた。いずれも「流行語」にまでなるほどの爆発的な名文句(フレーズ)を生み出し、いずれも時代の寵児のような活躍をした面々だろう。私達視聴者の目には、ユニークな新手の芸人が出てきては、消えているだけに過ぎないが、当の本人にしてみたら、生活がかかっているだけに、画面から消えて久しく「あの人は今・・・」の状態に陥った今、、果たして大丈夫なのか?という要らぬ心配までしてしまうこととなる。
さて、前置きはこれくらいにして、今回はナンセンスネタで恐縮だが、「ブラックユーモア」と題して、嘉門達夫の「あったら怖いセレナ~デ」をパクって、自分で考え出した「あったら怖いもの」を幾つか挙げ、ショートコメントを添えてみたい。もちろん、一部HP等を参考(約20個ほど、つまりこれもパクリなのだが・・・)にしたことを付記しておく。
1.「時々死んだフリをする守護霊」(そんなのにとりついて欲しくない)
2.「母親が作れるレシピが3種類だけ」(カレー・ラーメン・ハンバーグの日替わり)
3.「ニンニク入り歯磨き粉」(歯磨きしない方がマシ)
4.「暴れん坊のサンタクロース」(ウチには来ないで欲しい・・・)
5.「選挙で立ち上がったニュー政党・怒り新党」(怒り心頭)(圧勝して政権与党に!)
6.「甘えん坊将軍」(マザコンの将軍は実際いたかも・・・)
7.「水中で廻るタイムショックの回転イス」(たぶん重度の船酔い、でもそれだけでは済まない)
8.「嘔吐バイ」(誰も乗りたくない・・・どんだけ運転荒いのか?)
9.「お年寄り付き年賀はがき」(年賀状離れに拍車、たぶん皆メールで済ませてしまう)
10.「鼻水畑」(何も収穫できない・・・)
11.「カンオケBOX」(流行る訳がない、カラオケと間違えて入る奴もいない)
12.「夜中に皇居の周りを走るマネキン」(即、桜田門へ連行!)
13.「危険球を投げて来るバッティングセンター」(悪球打ち専科、来るのは岩鬼か?)
14.「新幹線の直前横断ごっこ」(安全神話に翳りが・・・)
15.「機動戦士ガングロ」(地球を防衛してもヒーローになりきれない・・・)
16.「起きたら空を飛んでる布団」(目覚めたくないし、怖くて寝たフリをするしかない)
17.「招き猫が置いてある病院」(呼ばれたくない~)
18.「高速道路に並ぶ露店」(誰も買えない。でも渋滞時はいいかも・・・)
19.「肥溜めカンタービレ」(食事中の人、ゴメン・・・)
20.「やくざ医師」(薬剤師)(これはありがちな・・・)
21.「摩邪(コング)の宅急便」(怖くてドアを開けられない・・・)
22.「ロン毛の大仏」(威厳を感じないし、御利益なさそう)
23.「トイレの相席」(大も小もできない・根比べ?)
24.「防犯カメラ付きの女湯」(一体誰が監視してるんだ!?)
25.「1万ボルトの静電気」(これで死にたくないし、葬式で死亡理由を言えない)
26.「中が透けて見える(シースルーの)霊柩車」(皆、目を背ける・・・)
27.「ミッキーマウスとキティちゃん、熱愛発覚!」(意外にお似合いかも?)
28.「落雷で充電する電気自動車」(夏しか走れない・・・たぶん)
29.「病院の両隣りがお寺と葬儀屋」(手間が省けて逆に感謝されるかも?)
30.「自分の名前が載っている死亡広告」(生きた心地がしない・・・ここは黄泉の国?)
31.「スイッチを入れると飛んでいく扇風機」(何の役にも立たない)
32.「居眠りする目覚まし時計」(心配でおちおち寝てられない・・・)
33.「100歳以上で結成された劇団『死期』」(いずれ自分も入るだろう)
34.「正直者の悪代官」(結局悪になりきれず、どっちつかず・・・態度をハッキリしろ!)
35.「トイレの実演販売」(誰も集まらないし、買い手がつかない。たぶん連行される)
36.「年増園」(豊島園)(あまり行きたくないが、歓声より悲鳴が多いかも)
37.「紅葉マークのついたF1マシン」(どんな運転テクを見せるのか興味津々)
38.「高所恐怖症のパイロット」(それだけでエアポケットに入った気分)
39.「ボロクソワーゲン」(走る度に部品が落ちていく感じ?)
40.「無責任飛行物体」(未確認より始末が悪いし、見たくもないし、かかわりたくない)
41.「四方八方が墓地に囲まれた格安物件」(水木しげるか棋図かずおしか買わない)
42.「北朝鮮でライアーゲーム」(正直者がいない・・・?)
43.「取調室でロシアンルーレット」(絶対自供!)
44.「ジェイソンが100人いるお化け屋敷」(二度と生還できない)
45.「おじいさんおばあさんを天に連れて行くかぐや姫」(一番の親不孝・・・)
46.「代打逆転満塁サヨナラデッドボールで骨折」(あんまり嬉しくない)
47.「どこを切っても江頭が出て来る飴」(不気味で舐められず、そのままゴミ箱直行)
48.「バイキングを貸し切る和尚」(スクーターや高級車を乗り回して今、最も羽振りがいい職業。檀家は冷めた目)
49.「河童の溺死体」(どうあっても伝説の動物・謎の生物にはなれない)
50.「フグにあたって死んだ寿司屋の主人」(やっぱりモグリだったか・・・)
51.「向こう三軒両ヤクザ」(引きこもるしかない)
52.「鹿に追いかけられる遷都クン」(笑えそうで笑えない)
53.「東尋坊でバンジージャンプ」(自殺者に対する冒涜で批判続出)
54.「自分が負けるほうに賭ける力士」(これは手厳しい・・・現にありそうだから)
55.「蛍光塗料が塗ってある保健室の人体模型」(夜中に人知れず廊下を走っていたら不気味)
56.「殺人現場に置いてあった自分の名刺」(オレは何もしてないって!でも参考人招致は必至!)
57.「粘着シートが敷いてあるボーリング場のレーン」(不人気・・・たぶん倒産)
58.「東京ドームの天井でトランポリン」(おそらく可能)
59.「幅が10mしかないゴルフ場」(不動産バブルの頃ならあり得た)
60.「青木ケ原の樹海でトレジャーハンティング」(これはヤバすぎでしょ・・・非難囂々)
61.「日本全国宅配可能なピザ屋」(儲けゼロ。それどころか相当な赤字)
62.「本当に歩く辞書」(珍しくて大注目!でもせわしくて引くことは不可能に近い)
63.「地雷の下に埋まったタイムカプセル」(誰も掘り起こせない・・・)
64.「火事で焼け出された座敷わらし」(マジな話なのでシャレにならん)
65.「還暦でデビューしたアイドル歌手」(スーザン・ボイルの例もあるし・・・)
66.「集配車が来ると逃亡する郵便ポスト」(永遠に届かない)
67.「ナンパするお茶の自販機」(そこのカノジョ~お茶しない~!ってか)
68.「火災報知機を目覚まし代わりにする愛煙家」(たぶん翌日焼死体で発見・・・)
69.「外れると3億円払わされる宝くじ」(買ったら最後)
70.「70歳以上しか載っていないタレント名鑑」(それって高齢者手帳?)
71.「受取人が死ぬまで解約不能な生命保険」(約款をよく読みましょう)
72.「生前発行される死亡診断書」(目的は・・・たぶん・・・アレかな・・・)
73.「チェーンソーで手術を行う病院」(執刀医はジェイソン?)
74.「引田天功とのお見合い」(天功が気に入らなかったらイリュージョン?)
75.「少しずつ首を絞めるネクタイ」(ん~完全犯罪ですな~)
76.「可愛い子だとサバ読むストップウォッチ」(人力でもそうしちゃうかも・・・)
77.「だるまさんが転んだが得意な貞子」(古井戸から登場で十分でしょう)
78.「どこまでも切符を持って追い掛けて来るオービス」(ピーポー君のほうがまだマシ)
79.「ゴキブリだらけの寝室」(おちおち寝てられない)
80.「毎年1cmずつ傾く家」(笑えない・・・本当にありそうだから)
81.「高速道路で走行中、路上に片方だけ落ちてある靴」(よくある光景・・・そこで何が?)
82.「東京スカイツリーから東京タワーまでの綱渡り」(中国雑伎団ならやり切るかも?)
83.「寝起きのデーモン小暮」(あの顔のまま就寝?寝ぼけて朝鏡を見てビックリ!?)
84.「途中でレールが切れてるジェットコースター」(アメリカならありそう・・・)
85.「終の棲家がお化け屋敷」(これもありえる)
86.「高木ブーの激ヤセ」(らしくない・・・見る目が変わってしまう、それだけはやめて)
87.「ギャル曽根の絶食」(似合わないし、たぶん無理)
88.「剣山で肩たたき」(たぶん血だらけで失血死・・・)
89.「タランチュラのつかみ取り」(100匹掴んでも嬉しくないし、ゲットしても処理に困る)
90.「アナコンダを丸飲みする青大将」(どんだけ口と胃袋がでかいのか)
91.「笑点の司会に昇格した山田隆夫」(たぶん視聴率3%で、見たくもない大相撲へチャンネル変更)
92.「イモトより眉毛が太い人」(おぬしは福笑いか・・・)
93.「ゾンビの油揚げ」(食べたくない・見たくない・料理したくない)
94.「信号待ちしている人達に向かってボウリング」(倒れるくらいの人間性が欲しい日本人)
95.「抜け落ちたボルトだらけの滑走路」(たぶん二度と生きて地上に還れない)
96.「直立して二足歩行する亀」(世界ビックリ大賞に即ノミネート!)
97.「なまはげのそっくりさん」(怖いし、会いたくない、でも遠くからなら見てもいい)
98.「ゆで卵を抱えて間欠泉から飛び出す坂東英二」(マジであり得そう・・・)
99.「ウサイン・ボルトより足が速い小学生」(金メダル確実でギネス登録間違いなし!)
100.「鬼嫁が私に掛けた保険金3億円」(なぜか私だけおかずが違う・・・)
中にはブラックも度が過ぎて、「ちょっとやばいんじゃないの?」というのも含まれているが、この辺はあくまでユーモアということで「笑って許して」欲しい。普段お堅い社説風の論文記事ばかりの私が、このような一面があったとは自分でも驚きだが、地はこんな感じなのだ。「普段こんなこと考えながら車を運転したり、仕事中もふと思いを巡らせている自分ってど~よ?」。実は、まだまだアイディアが湯水の如く豊富で、ネタは存分にあるが、それは日を改めて、忘れかけた頃にでも続編(帰ってきた~・~リターンズ)という形でお送りしたい。また、「あったら怖いもの」について募集しますので、もし思いついたネタがあればコメントとしてお寄せ下さい。次回掲載させて頂きたいと思います。
ところで今回のネタ、結構笑って貰えただろうか。ストレス発散の一助となれば幸いだ。ただでさえ暑い夏、少しは涼んで貰えたかな?「えっ!余計暑苦しくなった・・・。」そんなあなたに熱中症が懸念される今年の猛暑をパロってトドメの一句。
「しょちゅう、めまいで、もう死にます」(暑中見舞い申し上げます)→これは嘉門達夫のネタでした。お後がよろしいようで。
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