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2010年9月 4日 (土)

巨人移籍でダメになる選手たち

 今回のテーマは、タイトルが物語るように、巨人軍に入団・移籍したばかりにダメになった選手たち、あるいは成績がガタ落ちした選手を取り上げることにする。ON時代から熱烈なるジャイアンツファンの私にとって、できればこの話題には触れたくなかった。でもペナントレースで困窮を極める巨人の戦いぶりに「喝!」を入れる意味で、敢えて掲載したい。これまで巨人に移籍した主な代表選手は以下の通りである。

 金田、別所、シピン、張本、松原、中尾、加藤英司、蓑田、阿波野、屋敷、清原、広沢、マルチネス、ペタジーニ、石井浩郎、ローズ、江藤、工藤、前田、李、豊田、谷、木村拓、シコースキー、グライシンガー、クルーン、マイケル中村、小林雅、藤井など

 彼等は、他球団で主力(4番バッターやエース級)として活躍し、何らかの手段(FA・トレード等)で巨人に移籍して来た選手達である。彼等は一様に、前球団での成績の方が遥かに良く、華々しい活躍をした選手達である。彼等の個別の成績を移籍前と移籍後という条件で比較してみれば一目瞭然だろう。引退した選手は通算成績比較。現役選手は移籍前年とまだシーズン途中ではあるが、今年の成績を比較して検証した。

           前球団     移籍前成績       巨人移籍後の成績

 金田正一    国鉄     353勝267敗       47勝 31敗     
 別所毅彦    南海      89勝 76敗      221勝102敗
 シピン      大洋    822安打166本塁打467打点     302安打52本塁打158打点
 張本勲   日本ハム  2263安打338本塁打1396打点 526安打75本塁打280打点

Kaneda Bessyo Harimoto    
 

           前球団     移籍前成績          巨人移籍後の成績

  松原 誠     大洋  2,081安打330本塁打1,172打点  14安打   1本塁打  8打点  
  中尾孝義    中日    596安打  95本塁打  280打点  103安打 14本塁打 55打点 
 加藤英司    阪急  2032安打 344本塁打1246打点    23安打  3本塁打 13打点
 蓑田浩二    阪急    1211安打195本塁打656打点     75安打  9本塁打  22打点

Nakao Kato_hideji Minoda 

           前球団      移籍前成績        巨人移籍後の成績
 
 阿波野秀幸   近鉄    67勝56敗4S 850奪三振  0勝3敗0S 39奪三振 
 清原和博     西武    1362安打394本塁打954打点   720安打131本塁打576打点
  広沢克己   ヤクルト  1440安打250本塁打807打点 296安打 56本塁打178打点   
 石井浩郎    近鉄       778安打146本塁打463打点  116安打 16本塁打 73打点
 マルチネス   西武    288安打  61本塁打203打点   209安打43本塁打147打点

Kiyohara Hirosawa Ishiihiro

            前球団       移籍前成績        巨人移籍後の成績

 工藤公康     西武・ダイエー 162勝89敗3S2,021奪三振  53勝40敗0S732奪三振      
  江藤 智   広島    1,014安打278本塁打670打点   465安打101本塁打296打点
 屋敷  要    横浜        1136安打 57本塁打 370打点     10安打   1本塁打  5打点
 前田幸長   ロッテ・中日 65勝102敗5S1,023奪三振   11勝8敗4S 218奪三振

Kudoh Etoh Maeda       

           前球団       移籍前成績        巨人移籍後の成績

 ペタジーニ   ヤクルト   595安打160本塁打429打点   218安打63本塁打165打点
 ローズ     近鉄      1551安打392本塁打1100打点 241安打72本塁打169打点
 小久保裕紀   ダイエー   1380安打233本塁打916打点   371安打94本塁打238打点
 李承燁      ロッテ    打率.260 本塁打30 打点82     打率.167 本塁打5 打点11

Ppetajini Roze Isunuopu
 
           前球団        移籍前成績       巨人移籍後の成績

 グライシンガーヤクルト    16勝8敗 防御率2.84     0勝1敗 防御率4.90
 クルーン    横浜       3勝1敗31S 防御率2.76   3勝2敗19S 防御率4.31
 豊田清      西武       3勝1敗19S 防御率3.97   1勝1敗0S 防御率4.39       
 ゴンザレス  ヤクルト      1勝5敗 防御率4.30          4勝10敗 防御率5.75

Guraisinger Croon Gonzares  

           前球団        移籍前成績        巨人移籍後の成績

 マイケル中村 日本ハム         2勝2敗28S 防御率2.14     1勝0敗1S 防御率1.68
 小林雅英    ロッテ      2勝7敗27S 防御率3.61   0勝0敗1S 防御率 5.14
 藤井秀悟   日本ハム    7勝5敗 防御率3.53      6勝5敗 防御率4.29

Micheal Kobayashi_masahide Fujii

 明らかにどの選手も移籍前の方が活躍しているのがわかる。特にひどいのはマルチネスとペタジーニ、そして韓国の英雄・李承燁。移籍前では華々しい実績を挙げて鳴り物入りで巨人に来たのに、全くの期待はずれ。これでは給料泥棒と同じだ。巨人に来た途端、成績がガタ落ちとなるし、選手生命が短くなる。理由は簡単。他チームでは一線級でバリバリ働いた主力選手だったのが、巨人に来る時にはピークを過ぎた35歳前後からであり、体力も気力も衰え(萎え)ているからなのだ。怪我や故障も必然的に多くなる。つまり早い話、引退間近な選手が有終の美を飾る最後のご奉公やご褒美として「終の棲家」が巨人という図式なのだ。そして外国人助っ人に関しては、金に物を言わせ、莫大な契約金を用意し、辺り構わずあるいは手当たり次第に引きぬく傾向があることから、選手自身も生活が保証されることに甘んじてハングリー精神を失い、気持ち的に守りに入る傾向が強くなるのだ。結果を出す前に期待料として多額の金額を提示されてしまえば、安心すること然りでやる気が出ないのは当然。こういう場合は完全歩合制にするべきなのだ。例えば安打一本に付き幾ら。投手だったら一勝につき幾らという具合だ。すると言い訳は出来ず、結果が収入のすべてを占めることになる。プロ選手は、野球で身を立てているのだから、それは当然の生業なのだ。新人選手もそうだ。プロとしては未知数の段階で、契約金1億円は与え過ぎ。「夢を売る職業」としての位置付けなのかもしれないが、プロとして通用するかどうかも先行き不透明な18歳くらいの高卒ルーキーにそんな大金を叩いてどうするのか?

 また、巨人は毎年優勝を強く期待されることから、すぐに実践で使える即戦力候補が求められるため、FAやトレードで他チームの有力選手を引き抜いて補強する手法を取って来た。現戦力を見ても、小笠原・ラミレス・谷・古城などはいわゆる外人部隊で、彼等は額面以上の活躍を見せているが、それ以外の者はあまり活躍の場すら与えて貰えず、また、せっかくレギュラーを勝ち取っても、翌年には熾烈なポジション争いで控えに回るというケースも数多い。そして環境の変化に順応できない選手が多い。各対戦相手がセリーグとパリーグではクセや好みなどがガラリ異なり、選手一人一人に対して一から研究・分析し直さなければならないから、いくら移籍前の球団で華々しい活躍をしても、移籍後は以前と同じ成績を上げられるかというと一概にそうとは言えないのだ。しかも、巨人が相手だと、他チームの気合の入り方が違う。特に阪神戦では、エース級をあえてぶつけ、絶対に取りこぼせない覚悟と勢いを感じる。そしてかつては露骨にも巨人戦しか野球中継が行われなかった時期があった。だから全国の野球ファンの前で無様なプレーは見せられないというのが強かった。故に気合の入れ方がまるで異なり、巨人を目の敵にする傾向が強かった。従って、巨人に身を売った外国人などは意地でもやっつけてやりたいという闘志は強くなるのは当然だろう。

 また、巨人軍は新人選手を育てるのが昔から下手。ドラフトで鳴り物入りで新加入しながら、日の目を浴びず、鳴かず飛ばずで終わってしまった大物ルーキーも多い。藤城、大森、上田、辻内、太田も結果が出せない人達だ。生え抜きで何とかやっているのは高橋由伸、亀井、鈴木、阿部、脇谷、坂本、越智くらいのもの。本当に強い巨人愛を貫くのであれば、若手選手を育て上げ、一から鍛えて貰いたい。気骨な精神力なくして寄せ集めだけのチーム力ではベクトルもバラバラで、優勝は到底狙えないと思う。すぐに結果(優勝)を求めてしまうファンも悪いのだが、かつての広島のように地道な育成プランニングが求められているのかもしれない。

 一方、巨人を追われた選手は、球界の盟主から追放される訳で、どうしても「都落ち」という意識を強く抱く。そして「いつか巨人を見返してやろう」とリベンジを固く誓い、新天地ではかなり好成績を上げている。古くは広島の萩原、韓国プロ野球に新境地を求めた新浦、阪神へトレードされ、翌年20勝を挙げて、対巨人戦は負けなしだった小林繁、横浜で2,000本安打を達成した駒田、西武でも守護神として活躍した鹿取、近鉄でクリーンアップを打った吉岡、同じく石毛博史、日本ハムへ出された二岡と林、今年の木佐貫(オリックス)など。巨人では控えなどで出番を与えられなかった面々だが、他球団で活躍できる機会が増え、水を得た魚のようにその才能を開花させている。巨人にとっては皮肉とも言えるような結果である。

 今、プロ野球はセ・パ両リーグ共に日替わり首位とも言うべき状況で、見ていては面白いだろうが、巨人は明らかに投手不足。楽天から朝井を連れて来てローテーションを任せるも、出だしは良かったが、毎回大量失点の中に埋没してしまっている。今回のテーマを問題意識として、この現状打破に向け、今こそ大改革が求められるような気がする。プロ野球中継がBSでしか放送されなくなった不人気の中、復権を果たすには強い巨人が切望されるのだ。ぜひ、プロ野球に再び灯りをともしてほしいものだ。

  

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コメント

全くおっしゃるとおりですね。
今日クライマックス2位が確定しそうな状況で最後の試合を落とし、ずるずると負けてしまいました。
最後の公式戦というわけでベンチ野手を代えまくる総力戦でしたが、主力を引っ込めたヤクルトに勝てませんでした。
いくらベンチの選手層が豪華で厚くても肝心なたった1試合を「物にする力」とはならなかった様です。

ーおっちぃさん、初めまして。コメントありがとうございます。大好きな巨人で毎年応援しているだけに、今年の戦い方はちぐはぐなものでした。今日のブログにも思わず書いてしまいましたが。V9当時の巨人が圧倒的に強かったのは、打順ごとに役割分担がはっきりしていたことと、あの当時ですら勝利の方程式を実践していたことでしょう。最高指揮官の誉高かった原監督の下、昨年のV3で当分安泰だと思っていましたが、尾花コーチが退団したことで投手陣は火の車で崩壊。辻内や太田などの若手が育たずに高橋由や谷などのベテラン頼み。合格点は二冠確定的なラミレスと捕手で44本もホームランを放った阿部くらいでしょう。今日の敗戦で甲子園でのCS開催。あの大応援団の前で巨人はプレッシャーの中の闘いを強いられることからたぶん2ndステージへの進出は厳しいものとなりました。あとは開き直ってやるしかないでしょうね。また何かあったらコメントよろしくお願いします。(SUZU)

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