スキーブームと冬の懐かCM集
冬の足音が徐々に近づくにつれ、炬燵と蜜柑の恋しい季節となった。20代の頃は冬が待ち遠しかった。恐らく今頃は、新聞のスキー場のオープン情報や雪便りを毎日チェックしていたと思う。私は恥ずかしいことに、東北地方の福島県に住んでいながら、20歳まで本格的にスキーをやったことがなく、白銀に呼ばれたのは今の職に就いてからだった。大学の2年間を北海道で過ごしたにもかかわらず、ジリ貧学生だった自分は、バイクでツーリングこそ出掛けたものの、ウィンタースポーツとはおよそ無縁で、節約生活に明け暮れていた。パウダースノーパラダイスが代名詞である北海道のゲレンデをもっと闊歩すれば良かったと今更ながら後悔している。私が性根を据えてゲレンデに通い詰めたのは23歳の時で、それこそ仕事終わりにひとりでもナイタースキーに通い、我流ながらも人知れずこっそりと練習を積み、飲み友達(男女合わせて10人以上のグループ)と一緒に行く時に華麗な滑りを披露し、一躍ゲレンデのヒーローになる日を勝手に思い描いていた。しかも通っていたのは人目につきにくいマイナーなスキー場ばかり。裏磐梯、磐梯国際、塩沢、沼尻、あだたら高原、猪苗代中央ゲレンデなど。そしてグループで行く時は、猫魔や箕輪、リゾート、グランデコなど、割とお洒落なゲレンデだった。特に箕輪スキー場は、クワッドリフトのすぐ脇が滑降コースなので、上達した小回り(ウェーデルン)で格好良く滑り降りればひと際目立つ注目の的で、それは腕試しと脚光を浴びる絶好のロケーションとなっていた。
1980年代は、バブル景気の真っただ中ということもあって、空前のスキーブームやクロカン(4WD)が街を闊歩し、世の中を席巻していた夢のような時代だった。老いも若きも田舎人も都会人もこぞってスキー場に押し掛け、リフト待ち30分以上はザラで、滑降中に人とぶつかるなんてことは日常茶飯事だった。ゲレンデはカラフルなウェアに身を包んだギャルたちが色気を振りまいていた。白銀の中では、皆可愛く見えたものである。これほどまでにスキーが流行った原因の一つは、映画「私をスキーに連れてって」の上映だった。三上博史と原田知世が織りなす冒険ラブロマンスだった。当時、映画でも主人公が「SALLOT」と称して着ていたワンピース型のウェアが飛ぶように売れた。初心者でもロシニョールやK2などの上位モデルが品切れ状態になるくらいバカ売れした。すると、めざとく郡山市内にもアルペンやヴィクトリアなど全国展開のスキーショップが進出して来た。アルペンはうねめ通り沿いの郡山5中の東側にあった(現在は中古カー用品店)し、ヴィクトリアは内環状線沿いの朝日町(ネッツトヨタの向かい側)にあった。私は両店舗に通い詰め、スキー用品の購入からチューンアップまでお願いしていた。今は、残念ながらスキーブームの衰退と共に両者とも撤退してしまった。23歳ではシーズン20回以上、FR車のソアラでゲレンデに通い、平成元年に会津若松市に転勤になってからは、それこそシーズン30回を越していた。それくらいのめり込んだ。そして25歳でバッヂテスト・スキー2級、27歳で念願の1級を取得した。毎回スキーに行く時は雰囲気を盛り上げようと、映画にも使われていたユーミンのBGMをCDやカセットでかけて流していた。もちろん「スキー天国、サーフ天国」や「BLIZZARD」、「恋人はサンタクロース」、「ロッヂで待つクリスマス」、そして「A Happy New Year」などであった。実際クリスマスや大晦日、正月、バレンタインと映画のワンシーンの様に当時付き合っていた彼女(スキー部に所属する女子大生だった)とゲレンデで過ごしたこともあった。股下くぐりやトレイン、ムカデ滑降、片足滑降なども実際にやっていた。仕舞いには、その当時は金持ちの道楽だったレーザーディスクを購入し、「私をスキー連れてって」のディスク盤まで持っていて、暇さえあればそれを繰り返し見ていた。ではまず、その名シーンとBGMを掲載し、今回のテーマに臨場感を添えたい。
「スキー天国、サーフ天国」
http://www.youtube.com/watch?v=NXW2-5Iiq4o&feature=related
「恋人がサンタクロース」
http://www.youtube.com/watch?v=eGUfEx7qOkU&feature=related
「ロッヂで待つクリスマス」
http://www.youtube.com/watch?v=4wtDXiHbNRI&feature=related
「A Happy new Year」
http://www.youtube.com/watch?v=bN2bnl7kCQ0&feature=related
「BLIZZARD」
http://www.youtube.com/watch?v=SfZXln1LQKI&feature=related
能書きはさておき、いよいよ本題に入るが、スキー人気を煽ったり、下支えしていた物に、テレビのCMがあった。もちろん大手スキー用品販売の会社がプロモーション用に流していた物が多い。そして山形新幹線や長野新幹線の開業と合わせ、リゾート開発の波が地方に押し寄せ、続々とお洒落なスキー場が関東甲信越や東北各地にオープンしたのもこの時期だった。新幹線駅とスキー場がリンクした「GALA湯沢」やあの加山雄三までもがスキー場を創設した。トニーザイラー監修のスキー場も開業し、誘客作戦を展開していた。玉原スキーパークやザイラーバレースキー場、苗場などは首都圏からは交通至便で、週末ごとにわんさかスキーヤーが繰り出した。なかんずく、我が福島県も箕輪やグランデコ、アルツ磐梯など大規模のゲレンデがオープンした。首都圏からは深夜発着のスキーバスなどで大勢の客が押し寄せていた。私がグループや仲間と出向いたのは、羽鳥湖スキー場、箕輪、猪苗代リゾート。県外だと岩手県の安比高原や山形の蔵王にも複数回出向いた。夏にはスキードーム・ザウスにまで出掛けたこともあった。これまでにのべつまくなし総計で300回近くは訪れていると思う。しかし、家庭を持ってからは子供の面倒をみたり、40歳を過ぎて、体力的に衰えが目立ち、ギックリ腰から来る腰痛(ヘルニア)と極度の寒がりと相まって足が遠のいてしまった。ここ3シーズンは一回も訪れていない。しかも昨年は足の骨折まで経験した。おそらくこの10年でも10回も行っていない。そしてなぜか交通至便と自分の腕前に似合ったミネロ以外は行かなくなった。行ったとしても4時間券でよっぱらで、しかもリフトから降りて、下山するまでに5回は途中で止まって休憩を取らないと心肺機能が持たない。滑っているよりレストハウスで休んでいる時間のほうが長いかもしれない。実に情けない。昔のように箕輪のロングコースやリゾートのナイターでカクテル光線を浴びて滑ってみたいものだ。そして、残念なことに、昔は当たり前だったナイター営業を取り止めるスキー場が多くなった。理由は、経費削減と採算が合わないことにある。かつてのブーム時のような客の入れ込みが見込めない現状では、仕方ないのかもしれない。そして二酸化炭素の排出量削減や地球温暖化防止の観点からもやむを得ない措置のようだ。驚くなかれ福島県の中通りでは、塩沢スキー場だけとなった。20代の頃よく通い詰めた沼尻、あだたら高原、箕輪のナイターは無くなってしまった。昔は22時まで実施していたのに・・・。猪苗代スキー場や金・土曜日のミネロ、そして猪苗代リゾートは今でも実施しているようだ。
さて、またまた余談が長くなってしまった。今日のテーマを忘れていた。今日は1980年代から90年代にかけて、否がおうにもスキー人気を盛り上げてくれたテレビCMを回顧したい。私が気に入っていた冬のCMを当ブログをご覧頂いた方にお歳暮代わりに5位まで紹介したい。(アドレスをクリックすれば「You tube」の映像をご覧になれます。)
第1位 アルペン テーマソング「ロマンスの神様」(広瀬香美)
「ゲレンデがとけるほど恋したい」(広瀬香美)
「会いに来て I NEED YOU」(GO BANG'S)
物語仕立てとなっていて、ショップでの出会い編から始まり、一緒にスキーに出掛け、恋人になり、愛情を深めて行くといった若者ウケしそうな内容だった。出演者も松本典子、真木蔵人、田中律子、村上淳、三浦早苗、加藤晴彦、椎名法子など。
http://www.youtube.com/watch?v=aLSypuAi2pE
http://www.youtube.com/watch?v=FZtvIFHevzk&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=VFWQkqsT4Sg&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=1_m2mjCM9Ks&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=Yf6a5SlshS4&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=AavSwSMomQg&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=g5FMwmFvm7g&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=TV0m9mzjCvQ&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=Kx6L9rJDqck&feature=related
第2位 JR東日本 テーマソング「Choo Choo TRAIN」(ZOO)他
EXILEの前身であるダンスユニット「ZOO」がノリノリの軽快なリズムでスキーへの意欲を演出したCMを盛り上げていた。思わず重い腰を上げそうな感じ。
http://www.youtube.com/watch?v=D7ahbnO2Mb8
http://www.youtube.com/watch?v=YUCy8b7RwNU&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=SukWM3rQBVY&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=6FXrOkpFkA8&feature=related
第3位 JR東日本 テーマソング「DEPARTURES」(globe)
竹野内豊と江角マキ子が共演した貴重なCMだ。
http://www.youtube.com/watch?v=cVygjkEymzc&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=gnhZthhKkyU&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=PDEH4uMTzLg&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=I-panx1uF9M&feature=related
第4位 JR東日本1996&1998Version
テーマソング「Can't Stop Fallin' in Love」(globe)
テーマソング「Winter Again」(GLAY)
田辺誠一編と吉川ひなの編がある。どちらも秀作。
http://www.youtube.com/watch?v=hFxWzK6jnh0&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=NuBhgg8grqs&feature=related
第5位 サッポロビール冬物語
テーマソング「冬が始まるよ」(槇原敬之)
「Winter's Tale~冬物語」 (高野寛&田島貴男)
夏川結衣、萩原聖人、田辺誠一と深津絵里がビールを通じて冬を演出する。結構笑えます!
http://www.youtube.com/watch?v=MRgcqyLG8YQ
http://www.youtube.com/watch?v=2BdvY3i-4Rg&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=ImqzMoSX6Yo&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=UqYzhz1FD_U&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=Pa5YsJAoAPY&feature=related
最後は笑って貰いたかったので、面白CMを選んでみた。同年代の方で、このCMを見てまたスキーに行きたくなった人がいれば幸いに思う。私自身、今年こそは4シーズン振りにゲレンデに行きたいと考えている。若い日の自分を取り戻してみたい。近年はスキーよりボードのほうが断然多くなり、スキーでもショートスキーやカービングが増え、昔ながらの長くて太いスキーをやっているとそれだけで歳がバレそうだ。実際私は、この15年間はスキーを新調していない。未だに国産の「NISHIZAWA」のdemoモデルである。板はダイナスター、ロシニョール、ニシザワと移り、ブーツはイタリア製のテクニカ、ノルディカ、そしてサロモン、そしてまたノルディカを履いている。ビンディングはLook、チロリア、そして今もLookである。ポールはlookとチロリア製を所有している。ウェアもツーピース型3着、ワンピース型1着、デモパン型上下を1着持っていた。リフト券代や往復のガソリン代など金も使った。でもスキーを通じて想い出がたくさん出来た。友人も増えた。スキーブームに乗っかって、いろんなゲレンデを訪れては腕を磨いた。あの出来事は一生涯、自分の宝物として残って行くに違いない。今年23年振りに学生の身分に戻り、次はスキー熱を呼び覚まし若さを取り戻したいと思っている。
最後に、ゲレンデに行きたくなるようなVTRを見て、ゲレンデへの思いを熱く高めてください。ではどうぞ!
http://www.youtube.com/watch?v=-Cuxvk0KWNs
http://www.youtube.com/watch?v=rk1QzIihzGU&feature=related
記事作成:11/23(火)
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