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2011年8月13日 (土)

尾道てっぱん紀行⑤ ~ロケ地検証~

P8130540  今回の旅のきっかけは、言うまでもなく、昨年の秋から今年春まで NHKで放送された連続テレビ小説「てっぱん」の影響だった。ここまで心を揺り動かすドラマは、最近ではめっきり少なくなり、とんと御無沙汰だった。私的にも韓国の純愛ドラマの「冬のソナタ」以来のハマりようだった。このドラマでは、近年忘れ去られてしまった人間愛や家族の絆、他人への気遣いや思いやり、義理人情という、昔気質の日本人の人間模様に焦点を当て、それらが随所に散りばめられており、懐かしい郷愁を誘う物語だった。そして個性的なキャストが織りなす人情味あふれる言動や行動に温かみさえ覚えた。あかりを取り巻く心温まる、人間味あふれる話に毎回胸が詰まり、時には涙なしでは見れない感動ストーリーだったと思う。尾道と大阪を舞台にしたこのドラマをDVDで全話視聴して、春先から夏にかけて、未踏の地である尾道への憧れを強くしたのだった。古寺や美しい山並み、風光明媚な瀬戸内の景色、青い海、磯と鉄の香りが入り混じった独特の匂い、私にとってすべてが夢のロケーションだった。この場所に実際足を運んでみて、ドラマの感動を改めて味わえたと同時に、より愛着が湧いた気がした。それでは今回のテーマ、ドラマの映像と実際に訪れた場所を比較照合しながら、検証して行きたい。左側がドラマのワンシーン、右側が私が実際に訪れたロケ現場。加えてショートコメント付きでお送りしたい。ただし、私が撮り収めた画像の数々は、ドラマのシーンを記憶の中に刻み込んで、ひとつひとつ思い出しながら想像でシャッターを切ったものなので、若干のズレはご了承願いたい。

SCENE 1 「オープニング(駅前広場)」

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 JR尾道駅の目の前で海沿いに広がる芝生の広場。犬の散歩やジョギングコースとして、市民の憩いの場所となっている。遠くに「しまなみ海道」の尾道大橋を望む絶好のロケーション。磯の香りと鉄の独特な匂いが混ざり合い、港の雰囲気を醸し出している。

SCENE 2 「土堂突堤周辺」

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 この突堤は土堂一丁目のある。福本渡船と尾道渡船の間にあり、白にお洒落なストライプ入りの防波堤が連なる場所にある。通路という印象で、綺麗に整備されている。堤防には、美しい港の風景を描いたピクチャープレートが点在している。海にせり出した長さ25m程度の堤防は2つあるが、「からさわアイス」の真向かいのベンチ2脚が備え付けられた堤防のほうである。ここでは様々なシーンが撮影され、てっぱんの中でも重要な場所となっている。田中初音とその孫の村上あかりが出逢った場所であり、初対面でいきなり初音が娘のトランペットを海に投げ捨て、それを目撃したあかりが躊躇せず、二度も海に飛び込み、それを拾い上げた。また、からさわベンチに腰掛け、自分の出生の秘密を兄の欽也に尋ねるシーン、更には、あかりが尾道一高の同級生で、親友の篠宮加奈に、自分が養子であることを告白するシーンなども撮影された。

<その他の名シーン>

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SCENE 3 「尾道渡船乗り場」(向島渡船)

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<その他の名シーン>

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 向島を結ぶ渡船は3航路ある。尾道汽船(ドラマでは向島汽船)、福本渡船(駅前方面と土堂方面2航路)。あかりの実家である「村上鉄工所」は向島にあり、ドラマの中では、この渡船が何度も登場する。尾道水道を渡る僅か300mの短い航路で、人は100円、車でも130円程度。航行は3分程度。大阪へ旅立つシーンやお盆や正月の帰省、田中初音や小早川望を伴ってこの渡船に乗船したこともあった。特に高校卒業したあかりが、就職先の大阪へ向かう船上から「行って来るけぇ~ね~」と涙で絶叫しながら故郷を離れる別れと旅立ちのシーンは感動的だったし、第2話で娘を探して村上家を訪れた初音が、孫にトランペットを残して去って行く場面では、あかりが自転車で追いかけ、この船着き場に乗り付け、「何で置いて行くんよ~べっちゃ―!」と絶叫するシーンは鮮明に記憶に残っている。残念ながら、昨年のドラマ撮影後にトレードマークだったアーチ屋根と「まとやみそ」の看板が撤去されたのは残念でならない。 

SCENE 4 「千光寺公園鼓岩」

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<その他の名シーン>

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 この場所もまた「てっぱん」では欠かせないロケ地となっていた。オープニングの「てっぱん」ダンスを始め、尾道のシーンでは毎回外せない。山頂にほど近い傾斜地の一角にあり、ここから見下ろす尾道の風景は絶品。正式名称は「鼓岩」だが、ポンポン岩と言う方が自然だ。叩くと本当にポンポンと乾いた音がする。周囲は思った以上に狭い。遊歩道の小道のカーブにあり、その先は急坂か急階段しかない。村上あかりと加奈、鉄平、滝沢、初音らが訪れ、ロケを行った。

SCENE 5 「坂の街・尾道」(三重塔付近・北門・狛犬前・西國寺・浄土寺・国道2号線沿い)

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<その他の名シーン>

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 元々尾道は坂と鉄の街であり、猫の小道すら存在するように、急坂と狭い道があちこちに伸びている。どこの山の中腹からでも、尾道の市街地や海が一望できる一級のビューポイントとなっている。放送では、あかりが自転車でこの坂道を下る場面が多いが、実際に住民以外は自転車で上って下ることはあり得ない。画像は天寧寺三重塔近辺の坂道と浄土寺の参道。隆円さんが「あかり~スカートの中が見えてるぞ~!」とからかいの声をかけ、「嘘言いんしゃい」と交わす場面。最後の徒歩の場面は、就職面接を受けに行った帰り、出演を辞退した定期演奏会の会場に向かう国道2号線沿いの道。偶然撮影に成功したが、この直後に右足が吊るハプニング。

SCENE 6 「古寺①」(天寧寺三重塔)

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<その他の名シーン>

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 千光寺公園の中腹にある天寧寺三重塔は、周りを墓地に囲まれ、静かな佇まいにあった。ドラマでは4度(石段の下の手摺のある坂道を含めると多数)登場した。ちはるさんのお墓参りに行く母・真知子の後をあかりがこっそりつけ、この石段から覗き込み、隠れようとして転げ落ちたシーン、その回では、三重塔の境内に並んで腰かけ、真知子がちはるさんのことをあかりに教えるシーンが収録された。同じ石段では年末に初音とあかりが墓参りに訪れた場面、そして悩む真知子がひとりで墓参りに訪れ、掃き掃除をしている隆円さんと会話を交わすシーン。「答えは自分で出さんといけんね」。実際はテレビで見るより、狭い感じがした。村上家の墓はなかった。ここから眼下に広がる尾道の風景は格別。

SCENE 7  「古寺②」(御袖天満宮・大山寺)

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<その他の名シーン>

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 御袖(みそで)八幡宮の石段は、かつて映画「転校生」の舞台となった場所。その時に主役を演じた尾美としのりがここの住職役で再登場。長い石段は急勾配できつい。ここは大山寺がすぐ横に隣接してあり、境内からの眺めは抜群。この鐘楼は、出生の秘密を知ったあかりが、「自分が誰なのか」わからなくなり、居たたまれず吹奏楽の練習を抜け出し、この石段を駆けあがり、鐘の中に頭を突っ込み、「ワーッ」と大声を張り上げた場所。隆円さんが飛び起きて、「煩悩じゃのう~」と言い、落ち込むあかりを励ます。「何か良いこと言うてよ~」と助けを求めるあかりに、「ん~」を連発。一案閃き、「突け、これを突けば全ての煩悩が消え去る」と指南。無理矢理に鐘を突かされたあかりは平静を取り戻し、石段を下りて行く。「どうじゃ~スッキリしたか?」と問いかける隆円さんにあかりは「ありがと」と返答。また、年末に墓参に訪れた初音とあかりが、ここの石段を下りて行く。ドラマでは三重塔近くのちはるさんのお墓とこの鐘楼・石段が同じ場所にあるような設定だが、実際は天寧寺と大山寺は1km程度離れた場所にある。この場所はその後も、何度も登場した。

SCENE 8 「村上鉄工所周辺」(新栄機工)

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<その他の名シーン>

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 村上あかりの家は、向島にある「村上鉄工所」だが、実際は「新栄機工」という造船会社の下請けだ。ドラマでは「向島渡船」が最寄の船着き場として設定されていたが、実際は「福本渡船」のほうが近い。この場所は建物の外見と周囲の風景だけがロケ先として採用され、隣接する自宅は大阪のスタジオセットで撮影されたもの。わかりずらい場所にある。ドラマと同様、防波堤から海にせり出した台船まで通路で繋がっていた。欽也、キューちゃん、隆円さんが釣りをしたり、鉄平にふられた加奈をあかりが慰める場面、更には最後のてっぱんダンスでも使われた。対岸の尾道駅方面が綺麗に見渡せる絶好のロケーション。磯と鉄の匂いが漂っていた。

SCENE 9 「尾道市公会堂」

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<その他の名シーン>

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 この公会堂は、あかりが演奏する筈だった定期演奏会の舞台。地元・尾道での就職を決断したあかりだったが、定演の日と会社の面接試験日が重なり、最後の想い出を作れなかった。必死に練習した最後の曲、「威風堂々」が流れるさなか、会場に辿り着いたあかりは、玄関の前から、泣きながらエアトランペットの真似をし、その場で拍手を送った。そして吹奏楽部の仲間に挨拶をするのに向かったのは楽器運搬口のある駐車場だった。二日とも早朝の訪問だった。

SCENE 10 「尾道一高(土堂小学校)」

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<その他の名シーン>

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 ここは尾道駅の東南の坂道の途中にある。中央通り商店街の入り口に林芙美子の銅像があるが、その先にある陸橋を上り、国道と線路を越えれば辿り着く。まず、急な石の階段が正門まで続く。実はこの階段が、卒業式のシーンで使用された。この場所は「土堂小学校」だが、ドラマでは「尾道一高」という設定。ここの3階の南端の音楽室や屋上が吹奏楽部の練習場所として使用された。工事中だった。かなり歴史ある校舎だった。坂の途中からこの校舎を見渡せるポイントがある。

SCENE 13 「尾道うみの駅」

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 ここは「尾道うみの駅」と言い、昔はここからフェリーが出ていた。現在は立ち入り禁止。20年前、ここで腹を空かせてうずくまっていたちはるさんと真知子が出逢った。「そんなこと聞いていない」と動揺して怒るあかり。そんなシーンが収録された。2日目の8月10日に宿泊した尾道ホテルは、ここの目の前。部屋から間近に眺められた。

SCENE 12 「その他①(港の風景・商店街)」

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 土堂周辺の海岸線は、絵になる風景が目白押し。常時観光客や犬の散歩やジョギングの地元民も多い。市民の憩いの場所となっている。お洒落な防波堤と、海の見えるお洒落な飲食店が軒を連ねる。また、商店街も昔ながらのアーケード造り。尾道ラーメン店、甘味処、鉄板焼き・お好み焼きなどがあちこちに点在している。若干閉店時間が早いのが玉に疵。この土堂周辺の海岸と商店街を徒歩で何往復したか知れない。それくらいお気に入りの場所となった。

SCENE 13 「その他②(お宝写真)」

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 たまたま通りかかったアーケード内の中央商店街では、「てっぱん展」を催していた。実際の番組で使用された小道具をショーケースで陳列し、観光客の目を楽しませていた。偶然とはいえ、「てっぱん」の出演者や番組に近づけた気がした。念願のお好み焼きは、砂ずりと揚げ烏賊のこりこりした食感を堪能できた。熱々だが、番組と同様、箸や皿を使わずヘラで切り分けてそのまま口に運んだ。あかりの実父の橘さんの雰囲気を味わった。

 尾道水道は瀬戸内でも、島の間を縫うように沖合の向島まで僅か300mの細長い水路のような海の道。対岸の本州側は、千光寺山や福山城のある小高い丘のような山が聳え、坂の町と言うことができる。穏やかな気候、そして人情味溢れる方言と穏やかな性格の人々が暮らしている印象が強い。古寺巡りももちろん、映画やドラマのロケ地としても何度も取り上げられた風光明媚な土地柄であると、今回訪問して実感できた。尾道滞在が正味2日弱だったが、随分楽しませて貰えた。温暖で暮らしやすい場所なので、また何かの機会には是非訪れたいと思う旅となった。

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 「2011年夏、SUZU、46歳」、ひと夏の良い想い出となった。

 おまけ(2月18日、クランクアップ時の様子)

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 記事作成:8月14日(日)      

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