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2012年7月 5日 (木)

伝説の男⑪ 「柏原竜二」

 福島県出身の有名人と言って思い浮かぶ人は誰だろう。ちょっと前までは俳優・西田敏行を挙げる人が地元でも断トツに多かったであろう。昨年から今年にかけては我が中学校の同級生だった箭内道彦、来年はさしずめ新島八重子あたりか。ここ数年でガラリと変わった。特にご当地福島は、「陸上王国」と呼ばれる土地柄にあって、特に長距離走者の有名選手を多く輩出している。事実、福島県出身の全国にその名を轟かせる陸上選手は、古くは東京五輪銅メダリストの円谷幸吉に始まり、藤田敦史(清陵情報ー駒澤大ー富士通)、佐藤敦之(会津高ー早稲田ー中国電力)、初代「山の神」と呼ばれた今井正人(原町高ー順天堂大ートヨタ自動車九州)ら有名選手が目白押し。そんな中、正月の日本列島を熱狂させた名物ランナーが登場した。4年連続箱根駅伝5区の山上りを担当し、気持ちが梳くような驚くべきスピードで快走し、前を行くランナーを片っ端から抜き去り、自身4年連続区間賞(うち区間新3度更新)と華々しい記録を残し、堂々東洋大学の往路4連覇に貢献したランナーこそ、「新・山の神」と呼ばれ、大学駅伝の観衆の声援を一身に受け、超人気を博し、貴公子にのし上がった孤高のランナーこそ「柏原竜二」だった。今回は彼の箱根駅伝の功績を称え、その栄誉に満ちた足跡を振り返りたい。まずはプロフから。

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 1989年7月13日生まれ。日本の陸上競技選手である。 専門は長距離走。福島県いわき市出身。福島県立いわき総合高等学校、東洋大学経済 学部卒業。富士通陸上競技部所属。 大学時代に世界ジュニア陸上競技選手権大会10000m7位、ユニバーシアード10000m8位など日本代表として活躍し、箱根駅伝では往路5区山上りで3回区間記録を更新した。

 1年次・・・2009年1月2日、第85回箱根駅伝では5区(23.4km)山登り区間の選手として箱根路を走った。2007年今井正人が残した同5区区間記録を47秒更新する走りで8校をごぼう抜きし、4分58秒差を逆転し、東洋大学の往路逆転優勝そして初の総合優勝に貢献し、この年の「金栗四三杯」を受賞した。

 2年次・・・2010年1月2日、第86回箱根駅伝では前年に続いて、山登りの5区を出走。トップの明治大学から4分26秒差で柏原は7位で襷を受け取るがスタートから6人ごぼう抜きの快走、13Km付近で一気に首位に立つ。さらになおかつ2位の山梨学院大学には3分36秒の大差をつけた。結果昨年自身の打ちたてた区間記録を10秒更新、東洋大学の2年連続往路優勝に貢献する。翌日の1月3日も東洋大学は2年連続での箱根駅伝総合優勝を果たし、柏原も前年に続いて2回目の「金栗四三杯」を受賞した。

 3年次・・・2010年春先に右膝を痛めて以降不調に苦しみ、同年10月の第22回出雲駅伝では出走メンバーから外れ、11月の第42回全日本大学駅伝では2区で区間4位となった。2011年1月2日、総合三連覇を懸けた第87回箱根駅伝では三度目の5区に出走。トップ早稲田大学と2分54秒差の3位で襷を受け取り、前年自らが記録した区間記録に45秒及ばずも、16kmすぎに首位に立ちそのままゴール、3年連続往路優勝を達成し、さらに往路大会新記録も達成した。東洋大学は復路で逆転を許して総合2位となった。

 4年次・・・2012年1月2日、第88回箱根駅伝では4年連続4回目の5区に出走。初めて首位で襷を受け取り、その後も独走。2010年に自身が作った区間記録1時間17分8秒を29秒上回る1時間16分39秒で走り、4年連続往路優勝で、前年記録した往路大会記録も更に更新した。4年連続の区間賞は史上8人目だが、同一区間では大久保初男(5区、第50回-第53回)以来35年ぶり2人目となる。翌日の1月3日も東洋大学は箱根駅伝総合優勝を大会新記録で果たし、2年ぶり3回目の「金栗四三杯」を受賞した。2位の早稲田大学には5分7秒の大差をつけ、更に20大学中13大学が翌日の繰上げスタートとなった。5分以上大差ついたのは24年ぶり、繰り上げスタートが10大学以上になったのは18年ぶりである。

  2012年4月に富士通陸上競技部に入部。

 それでは、すでにご存じの方も多いが、伝説となった彼の走りっぷりを4年間の箱根駅伝のダイジェスト版で振り返りたい。

http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&NR=1&v=c_w-2HX5f6g

 解説者(瀬古利彦)も舌を巻く走り。ライバルも彼の存在に一目置いていた。彼の真骨頂は、段違いの走り、歯を食いしばり魂の走り、そして他を置き去りにする驚異のスピードだろう。やはり山の申し子、山の神童にふさわしい快走だった。彼が走れば沿道にわんさか人が繰り出し、人の波が絶えることはなかった。そして誰もがデジカメ片手に大声援を送った。さぞかし気持ちが良かっただろう。彼は「福島の誇り」であり、「福島の英雄」だ。もう来年から彼の箱根での勇姿を目の当たりにできないかと思うと、興味も半減してしまうが、その分1月1日に行われる実業団選手対抗の「ニューイヤー駅伝」を楽しみにしたい。そして今年のロンドン五輪には残念ながら出場しないが、同郷の先輩「佐藤敦之」を手本とし、オリンピックでの彼の走りをぜひ見たいと思う。社会人としての彼の今後の活躍を期待して結びとしたい。

 記事作成:5月26日(土)

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