郡山市にある「世界遺産」
これまで何度もご当地郡山市に関する記事(以下の通り)を書いてきた。
1 昔話③~変わりゆく郡山の町並み~
http://tsuri-ten.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-c30d.html
2 回転寿司事情in郡山
http://tsuri-ten.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-6da7.html
3 郡山で一番安いタイヤ店
http://tsuri-ten.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-b9dc.html
4 家電量販店事情と賢い電化製品の買い方
http://tsuri-ten.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-a00c.html
5 昔話⑦~開成山の思い出~
http://tsuri-ten.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-62c4.html
6 郡山発!おもしろオブジェ大集合
http://tsuri-ten.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-9e13.html
7 商業都市事情in郡山
http://tsuri-ten.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/in-8e2c.html
8 郡山の事件簿
http://tsuri-ten.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-b4ae.html
9 今は無き郡山の建物・店舗
http://tsuri-ten.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-9843.html
10 郡山発!おもしろオブジェ大集合第二弾
http://tsuri-ten.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-ce8b.html
などである。つまり今回が11回目のご当地ネタということだ。しかし、その都度、大変な反響がある。これらの記事を読んで、30年振りに消息が判明し、連絡を取り合った同級生もいるし、これが縁で知り合った方もいる。ブログの力をまざまざと見せつけられている。今回はまた性懲りもなく、同じ類のテーマである。しかもパロディ(ネタ)がかっているので予めご容赦願いたい。今回はタイトルが示す通り、「郡山市にある世界遺産」というテーマで記事を書きたい。一見すると郡山市には「世界遺産」は愚か「国宝」すらない。なのにこのテーマが意図するものとは一体何なのか・・・。それは知られざる「世界遺産もどき」がここ郡山にはそこかしこに点在しているのだ。無理やりのこじつけも無きにしも非ずだが、今回は半分ネタなので笑って許して欲しい。では早速見ていきたい。
世界遺産1 「ピラミッド(エジプト)」?それとも「チチェンイッツァ(メキシコ)」?
チチェンイッツァ 大安場古墳
ピラミッドといえばエジプトのギザの大ピラミッドを思い浮かべる。別名クフ王のピラミッドという。守り神とされる「スフィンクス」こそ傍に付き添わないが、郡山にもそれに類似した古代遺跡が存在する。てっぺんが平らなので、ピラミッドというよりはメキシコのマヤ文明の遺構である「チチェンイッツァ」の台形型の建造物にそっくり。これは郡山市東部の「東山霊園」に近い場所にあった墳墓で、平成以降保存を目的に整備された「大安場古墳」である。その周囲は住宅団地であり、古代人の墓が突然暴かれ、観光地と化したことを付近の住民はどう思っているのだろう。生活が覗かれて丸見えで困っているのでは?
世界遺産2 「カッパドキア(トルコ)」
カッパドキア 浄土松公園「きのこ岩」
トルコの首都アンカラの南東にある奇岩群「カッパドキア」は世界遺産に認定されたが、この景観と酷似した形状の岩の群集帯が郡山の西部に存在する。それは多田野にある「少年自然の家」のすぐ近く。浄土松公園内の一角にある通称「きのこ岩」がそれである。郡山市内の小学生は必ずと言って良いほど遠足や宿泊学習で訪れる場所。私も小4の時、宿泊学習でここを訪れた際、チェックポイントを巡りながら探検を行う「フィールドワーク」と呼ばれるオリエンテーリングのゴールがここだった。怖いくらいよく似ているが、私が訪れてからでも40年近く経っているので、かなり風化が進み、所々脆くなっている。
世界遺産3 「パルテノン神殿(ギリシャ古代遺跡群)」
アクロポリス「パルテノン神殿」 東北歯科専門学校片平校舎
ギリシャのアクロポリスにある小高い丘に立つ、世界遺産認定の「パルテノン神殿」。これは現在、バロック建築と呼ばれるギリシャ彫刻を施した柱しか残っていない。しかし我が郡山には、驚くなかれ何とその完成形が実在するのだ。市内西部の片平町にある白亜の豪邸がそれで、昭和60年頃にはもう当地にそびえ立っていた。種を明かせば、それは「東北歯科専門学校片平校舎」である。現物と同様、小高い丘の上に立つ。おそらく郡山市民ですらあまり知らないかもしれない隠れた名所である。
世界遺産4 「ファウンティンズ修道院(イギリス)」
ファウンティンズ修道院 郡山市熱海町高玉金山跡
ファウンティンズ修道院は、イギリスに実在する歴史的建造物。現存するが、遺跡と化してあるだけで、使用されてはいない。一方の高玉金山は、郡山市の北西部の磐梯熱海町の磐越自動車道沿いの体験見学型学習施設としてオープンしていた。トロッコ列車で炭坑に入る発掘体験や砂金を選別する模擬体験などもできたが、資金難と元から観光客が少なく、倒産により閉鎖されてしまった。一帯は廃墟として風化が著しい。写真右は炭鉱の選鉱場跡。
世界遺産5 「ヴィエリチカ岩塩坑」
ヴィエリチカ岩塩坑とペグマイタイト岩脈(通称・屏風岩)
ポーランド共和国のマウォポルスカ県にある岩塩の採掘坑。日本人にはあまり知られていないが、ここも立派な世界遺産に登録されている。一方の西田町の鹿島神社にある「ペグマタイト岩脈」は、異様な大きさに育った奇っ怪な巨岩として天然記念物に指定されている。西田町から三春町にかけては、広範囲で地下が強固な岩盤に覆われているため、先の大震災でも揺れは比較的少なく、大きな被害は無かった。
世界遺産6 「ブレナム宮殿(イギリス)」
世界遺産のブレナム宮殿 細沼町にある県合同庁舎
ブレナム宮殿は、マールバラ公ジョン・チャーチルがスペイン継承戦争中のブレンハイム(ブレナム)の戦いで立てた戦功によって当時のアン女王から贈られた大邸宅。バロック様式で、建築家ジョン・ヴァンブラの設計による。1987年に登録された。一方の合同庁舎は、古い建物が密集している細沼町にある。昭和42年まではここが市役所だった。ブロック石を積み上げたような古い様式の佇まい。三島由紀夫が割腹自殺を遂げた自衛隊市ヶ谷駐屯地の建物に似ていることから、映画のセットとして使用された。小学生の頃、ここの土台の石垣の下に潜り込み、友達とかくれんぼやロウソク片手に秘密の隠れ家として遊んでいた。
世界遺産7 「トレド(スペイン)」
スペインの古代首都「トレド」 郡山聖ペテロ・聖パウロ教会
左は世界遺産認定のスペインの古城「トレド」地区。右は郡山市麓山に実在する教会。昭和までは旧セントポール幼稚園として使われていた施設。震災でダメージを受けたが、歴史的建造物として今も現役の教会としての機能を保持している。壁の色や大きさは異なるが、雰囲気や造り自体はよく似ている。
世界遺産8 「コルドバの大聖堂」
コルドバ大聖堂(スペイン)と郡山市公会堂
17世紀初頭以降、南アメリカにおけるイエズス会の拠点だった「コルドバ」には、数多くの教会堂がある。なかでも1758年に完成した大聖堂は、独特の建築様式と豪華な内部装飾をもち、植民地時代を代表する建物として知られる。一方の郡山市公会堂は市民の集いの場として今でも現役バリバリの公会堂である。各種イベントも開催されている。郡山市街地の麓山にある古い歴史と伝統を持つ建造物。時計塔があるし雰囲気もそっくりだ。
世界遺産9 「ボリショイ劇場(ロシア)」
ボリショイ劇場と迎賓館グランプラス
ボリショイはロシアのモスクワにある劇場。ロシアを代表するバレエ、オペラ劇場(歌劇場)である。「ボリショイ」とはロシア語で「大きい」を意味し、単純には「大劇場」。一方の 迎賓館グランプラスは、郡山の南の外れ、安積町の4号線沿いに聳え立つ、絢爛豪華な建物だ。昔はここに郡山レジャーセンターという遊戯施設があった。それが潰れると「郡山パークランドホテル」となり、現在は結婚式場になった。
世界遺産10 「バージニア大学(アメリカ)」
バージニア大学と懐想記念館喜久田(旧郡山オペラクラブ)
第3代大統領をつとめたトマス・ジェファソンが、1819年、シャーロッツビルに創立したバージニア大学。彼は政治家であると同時に建築の才能にもすぐれ、大学内にあるパンテオンに似た建物を設計した。 新古典様式による彼の建築様式はアメリカ各地における公共ビルの建築に大きな影響をあたえた。右は郡山市喜久田町にある旧・郡山オペラクラブ。各種パーティーの催しも可能な結婚式場だったが、売却され、10月から葬祭場として新装なった。
世界遺産11 「自由の女神」
ニューヨークと富久山町の「自由の女神」
オリジナルの現物はフランスに有るが、アメリカのリバティ島にある巨大な「自由の女神」は友好の印としてアメリカに贈られたもの。今では自由と民主主義の象徴となっている。お台場にもあるが、意外や意外。郡山にもミニチュア版が存在していた。右手に持った松明を高々と掲げている。それはベニマル富久山店の南側の裏通りを西に100m行ったアパートのモニュメントとして建っている。なぜこれがここにあるかは謎である。
追記(H29年3月7日)
夕方のKFBの「ふくしまスーパーJチャンネル」の中で猪俣アナがここを取材し、なぜここに「自由の女神像」を建てたのかが判明した。
三春街道のカーブ沿いに中古車業を営んでいた鍋島さんという社長が店を出していたが、あまりにも交通事故が多いために、パトライトを手にしたこの「自由の女神像」を建てたところ、事故が減ったらしい。その知り合いの秋元さんという方が、ボルゾイ通り(自称)にアパートを建てる時に、この像を寄贈されたのだそうだ。
追記(H29年7月1日)
「サタふく」の浜ちゃんぽのコーナーで、生中継でここを訪れた浜中アナ。この自由の女神が建てられた経緯を番組で募集したところ、付近に住むおばちゃんが飛び入りで出演し、自由の女神像の謎について語った。「ボロゾイ通り」という名前の由来は、鍋島さんが飼っていた犬の名前が「ボロゾイ」だったことも判明した。
世界遺産12 「ベルギー遺跡群(鐘楼)」
ブリュッセルの古い町並みと図景にある「ベルヴィ郡山の聖教会」
ベルヴィは結婚式場で4号線沿いにある。近年、お洒落で洗練されたデザインのおおきな教会(チャペル)を建てた。
これ以外にも歴史的な建造物は郡山市内にはあちらこちらに点在している。まず、細沼町の一角には「郡山看護師高等専修学校」、同じ細沼町に林に囲まれてひっそりと佇む「郡山細沼教会礼拝堂」、そして「日本基督教団郡山教会」、更には開成二丁目には華やかなレンガ調の色彩が美しい「安積疎水事務所貴賓館」、同じ開成地区にはザ・ベストテンの追っかけ中継にも使われた「旧福島尋常中学校本部・安積歴史博物館(安積高校)」、消防署裏手には「金透小学校記念館」、郡山の歴史に触れられる「開成館」、深沢地区には純日本風の家屋「旧後藤家住宅」なるものも残されている。いずれも郡山が誇る由緒ある建造物に名を連ねたい佇まいばかりである。
さて、今回の企画記事いかがでしたか。かなりこじつけが甚だしいことは筆者が十分自覚しているところである。しかし、冷静に考えると、48年間の人生のうち39年間も過ごした郷里・郡山。身近にあって気づかなかった古い佇まいも、ワールドワイドやグローバリズム的な発想や目線で見ると、意外や意外、「世界遺産」に匹敵するような歴史的な建造物が点在していることに気づく。特に、旧市内の中でも麓山や細沼界隈はとりわけ古い歴的建造物が数多くある。多少「世界遺産」は大げさだったが、身近な場所に時代を感じるような歴史的な遺産がことのほか多いことに気づく。それを再発見、再認識できただけでも今回の特集記事は成功だったように思えるのは、私自身の自画自賛や自己満足なのだろうか・・・。
最後に提案だが、今年の夏、私は山形に3泊4日の出張に出向いた。その際、市内の由緒ある歴史的建造物をめぐれるように工夫された「スタンプラリー」を満喫した。すべてのチェックポイントを回り、スタンプを埋めると「やまがた舞子」の特製ポストカードを貰えた。旅の記念や土産に持ってこいだった。我が郡山にも、近すぎて気づかなかったが、これほど古くて伝統的な建造物が点在している。「温故知新」。これを観光に利用しない手はない。ぜひ山形のケースを見習って、郡山の歴史的建造物にもっと触れてもらう意味でも、このような歩いて散策できる企画を実現させ、観光のテコ入れや活性化を図り、誘客に繋げて欲しい。
具体的には「福島交通」や客待ちで無駄な時間を駅界隈で過ごしているハイヤー・タクシーとタイアップし、それらの観光地を安価で巡回見学ができる「1日乗り放題の周遊パス」を売り出せばいい。また、市の観光課はウォークラリーのパンフレットを作成し、3パターンくらいのモデルコースや路線バスの時刻表を添付した旅程表を組んで、市内のホテルに置いて、観光客に配るようにしたらいい。そしてチェックポイントを回った特典として、何か土産となるような特産品を差し上げればいい。例えば、郡山市内の名所の絵や写真を載せたポストカード、三春駒とかデコ屋敷の張子で作ったキーホルダーや特製の携帯ストラップなど。また、完歩者の中から抽選で、郡山の銘菓(ままどおる・エキソンパイ・薄皮饅頭など)などを差し上げればいい宣伝になる。放射線問題以降、観光客は激減状態。待ちの姿勢ではなく、攻めの体勢で誘客に努めることをぜひ励行してほしいものだ。
記事作成:10月25日(木)~10月26日(金)
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教えてください、ボルゾイ通りってどこにあるのですか?
富久山ベニマルの近くかと思うのですが、みあたりません。
ウロウロしてて、くたびれてしまいました。
また、出直すので教えてください。
すあまさん初めまして管理人のSUZUです。
「ボルゾイ通り」というのは、「自由の女神」が置いてあるアパートの通りのことですが、そこのアパートの管理人が勝手に「ボルゾイ通り」と記載した標識をアパートのフェンスに取り付けて名乗っているだけの「自称通り」です。
旧国道(県道355)沿いにあるファミリーマートから西に曲がって日吉神社、ベニマル富久山店とびっくりドンキーの南側を通って、国道4号線の上を横切り、行徳小学校の南側を通って、奥羽大学東側の新しくなった道路で喜久田街道にぶつかる地点までを指します。
投稿: すあま | 2017年3月20日 (月) 12時40分