今では懐かしい「武富士ダンサーズ」
以前、当ブログの同様の記事で「メジャー化する消費者金融」について書いた記憶があるが、最近CMで「武富士ダンサーズ」を見かけないと思ったことはないだろうか。1990年代のテレビCMで、「コカコーラ」と並んで人気No.1と言えば、このCMだった。まずは歴代のCMシリーズをご覧いただきたい。
It's got to be your love
The only love I fall
And oh… You are the angel of my life
It's got to be my heart
Beating besides you all night long
And oh… I wanna get closer to you my love
Until the day I die girl
I'll be your everything and
Woh…(Woh…)Woh…
Won't you take my hand ←CMで使われた部分はここから
For I will be your man
So tonight we gonna dance the night away
One and one is two
Don't you be so cruel
Synchronize this love is what we've got to do
All the time we'll be together
'cause it's yours and mine
Forever we're in this love thing
Tomorrow never knows
Wise man can tell me so
But oh… He never saw your dark brown eyes
I love the way you smile
Shine on me babe all day long
And oh… I wanna get stronger for you my love
I feel the love in motion
All together all in time so
Woh…(Woh…)Woh…
ジョーリノイエの「SYNCRONIZED LOVE」に乗せて「武富士ダンサーズ」たちが、フラッシュダンス張りの小気味いい、躍動感溢れるダンスを披露し、一躍大ブレイクした。そのCMは瞬く間に話題となり、学校の文化祭や結婚式の余興などで早速真似して踊られ、場を大いに盛り上げたものだ。
1990年に始まったこのCMだが、当初は女性3人がレオタード姿で踊る寂しいものだったが、ちょうどジャスダンスが隆盛していた時期と相まって、問い合わせが殺到し、翌年には「武富士」が正式にCMとして採用。12名の男女混成チームユニットを結成して、曲に合わせてよりパワフルに踊りまくり、一種のブームとなった。そして幾つかの異なるヴァージョンが制作された。例えば、踊る前のロッカールームの場面を台詞入りで流し、次第にドラマ化していった。1998年にはメンバーを15名に増やした。
この頃の「消費者金融」業界は日の出の勢いで、昔の「サラ金」のような暗いイメージや「ヤクザが取り立てにやってきて脅迫する」という怖いイメージを払拭し、誰でも気軽に借りられるお手軽キャッシングを謳い文句にしていた。それで多重債務や自己破産した人も大勢いたが。特に各社のイメージアップ作戦はすさまじく、イメージソングを作り、キャラクターとして、若い女性を相次いで起用した。アコム(むじんくん)は小野真弓(O型)、プロミスは安田美沙子(O型)、プロミス(現在はSMBCコンシュマーファイナンス)がマイケル富岡を起用した「いらっしゃいマシーン」と井上和香(O型)、さらに「ほのぼのレイク」や「アイフル」(清水省吾とチワワ犬のくぅ~ちゃん)などで親しみやすい雰囲気作りに躍起だった。その最たるものがこの「武富士ダンサーズ」だった。
懐かしい各社の代表的なCMはコチラをクリック!
「アコム」 http://www.youtube.com/watch?v=OP2JRAY3c5I
「レイク」 http://www.youtube.com/watch?v=EtG5EiZLhOQ
「アイフル」http://www.youtube.com/watch?v=W8yEHPJQja8
「プロミス」http://www.youtube.com/watch?v=DtUlF-T_FTc
しかし、好景気は長く続かず、バブル崩壊以降、徐々に下火となり衰退の一途をたどった。2001年には武富士の会長が逮捕され、CM放送が自粛。その後TRFのSAMなどが振り付けを担当して、武富士ダンサーズを復活させて巻き返しを図ったが、2010年に「武富士」が東京地裁に会社更生法を申請し、倒産した。その煽りをもろに受けたCM制作会社も自己破産に追い込まれ、事実上「武富士ダンサーズ」の活動にも終止符が打たれた。
1990年代の当時は、郡山市内のあちこちに「消費者金融」の店舗や無人ATMが設置されていた。もちろん武富士も例外ではない。その店舗跡はコンビニや他業種の店舗が入っている。また潰れたGSを買収して「武富士」に改装開店したケースも多かった。
そして今、時代は流れ、かつての金回りの良かった時代は終わり、長引く不況で金融業界は統合や吸収合併や買収などを繰り返し、今に至っているのは周知の事実だ。よもや旧大財閥同士が経営統合しようとは思いもしなかったし、証券会社や大手銀行が潰れるなど予想した方はいなかった。私が大学生だった1980年代は、三菱銀行、三井銀行、住友銀行、第一勧銀、日本興業銀行、富士銀行などが最大手で、山一、日興、野村、フコクなどを始めとする証券業界も花盛り、生命保険会社も日生を筆頭に、第一、明治、住友、朝日などが幅を利かせ、また損害保険なども幅広く事業を展開し、商社と合わせて、金融業界への新卒就職希望者も多かった。それが今や、かつての業績とは雲泥で、株価や円相場は頭打ち。各社とも経営は火の車状態が長く続いている。バブルで踊ったそのツケを、こんなに長く背負わせられるとは思いもしなかった。
私が思うに、景気回復の尺度はこうした金融業界の復活と復権にかかっているように思う。収入アップの実感もないまま、消費税をはじめとした増税傾向では消費活動が停滞するのは当然のことで、一般庶民を苦しめる一方である。江戸時代当時の厳しい年貢の取立てと何ら変わらない。唯一違うのは、庶民が政府の言いなりで、自分の意見や主張をしなくなった点だ。百姓一揆や一向一揆のような反乱がおきることはまずない。生活が苦しいのは事実なのだから、もっと政府に物申す庶民にならなければならない。我々から巻き上げた血税を、政府は外国に年間何百億円も援助目的で無償で提供しているのだから、まずは国内の景気回復や地域振興の名目で経済回復に取り組むべきなのだ。アベノミクスというと何か特別な政策を施行しているようで聞こえはいいし、見栄えはするが、期待感だけで、実効が伴っていないのだ。我々は見せかけだけの景気回復策に騙されてはいけない。かつてのオリンピック景気、岩戸景気、いざなぎ景気、バブル景気、高度経済成長期のような発展的かつ継続的な経済成長がなければ、日本経済は中国経済にやられっぱなしで終わってしまう。中国のわがままや横暴を許してしまう結果に陥るのだ。
政府には、目に見えてわかりやすい経済政策、あるいは金融政策と実感のある景気回復策を期待したい。そしてテーマにあるように、懐かしさで終わらずに活気ある「武富士ダンサーズ」が再び復活できるような日本経済を構築してほしいと願う。
記事作成:2月5日(水)
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