あまちゃん傑作場面ベスト10
この記事を執筆するに至ったあらましについては、昨日長々と記述したため、本日は前置きはなく、いきなり本題に突入したい。今日は、高視聴率をマークし、大好評だった国民的番組「あまちゃん」を振り返って、傑作場面を10シーン取り上げてランク付けしてみたい。思わず吹き出してしまったシーンや微笑ましい場面など、私が個人的に印象深いシーンを中心に取り上げたい。
第1位 アキの妄想①「種市先輩への恋心」
三陸鉄道リアス線の車庫での一節。ふたりっきりで薪を焚いて暖をとりながら会うシーンだが、実は種市先輩はユイが好きだとも知らず、「潜水士の試験に合格したらデートしてけろ」と約束を取り付けたアキ。種市が発した映画「潮騒」の名セリフを誤解し、「それってその火を飛び越えて来いって意味ですよね」と勝手に妄想。たき火の火を飛び越えて彼の胸に飛び込もうとした矢先、火の用心を心配して走って来た吉田副駅長がアキを追い越して飛んでいくシーン。彼女の思い込みの激しさが笑えた。若い娘によくありがちな「恋は盲目」を肌で感じ取れる場面だった。
第2位 ユイとアキの家出作戦を町ぐるみで阻止するシーン
アイドルを目指して内緒で上京を企てたふたりだが、ストーブさんを始め、地元の人たちの監視の目は厳しく、駅周辺を見張られていた。その網を必死にかいくぐって上野行きの夜行バスに乗り込むことに成功したふたりだが、気づけば「袖ヶ浜行き」に変わっていて、逃走がバレてオジャンとなった場面。
第3位 忠兵衛さんが死んだことになっていたシーン
遠洋漁業に出たっきりだった忠兵衛さん。帰港してひょっこり地元に戻り、アキや春子の前に現れたシーン。仏壇に写真が遺影のように飾られていたことから、周囲はてっきり死んだものだと思い込んでいたが、ある日、駅弁を売りに電車に乗っていたアキの前に忠兵衛が現れ、てっきり幽霊と勘違いして後をつけたところ、まさかの自分の家へ。びっくりする春子に向かって忠兵衛が抱き付いた時の春子(小泉今日子)の困惑の表情と、年齢を聞かれた時の返答のやりとりは大ウケだった。死んだと聞かされた「ブティック今野」の今野あつし(菅原大吉)はあからさまに沈んだ面持ちで喪服で登場する始末。この思い込みも笑えた。
第4位 アキの妄想②「種市先輩とキス?」
種市先輩への憧れと、シーズンオフにも潜れることに魅力を感じ、アキは潜水土木科への転科を決意。磯野心平先生の心配をよそに実習中も種市先輩とのラブロマンスを妄想する。潜水スーツとヘルメットに身を包んだ二人が、水中でキスをしようとしてヘルメットで頭をゴツンとするシーンは、実に微笑ましかった。そして何度かキスするチャンスがあったのに、その都度いろんな邪魔が入るのも笑えた。
第5位 ストーブさん(小池徹平)に告白されて、戸惑うアキ
本気獲りを翌日に控えたアキが、いきなり駅の待合室でストーブさんに「好きだ」と告白され、「頭を使っちゃダメなんです」と言いながら、耳に蓋をして恥ずかしくてその場を後にするシーン。「ストーブさんて、いつも間が悪いですよね」と窘めて出ていく。案の定、困り果てたアキは、その夜、一睡も出来ずに「本気獲り」の本番当日を迎えてしまった。
第6位 磯野心平のナイスキャラ
潜水土木科の担任である磯野心平(皆川猿時)の存在は笑える。「くのぉ野郎」が口癖で、一挙手一投足、そしてそのしゃべり方も笑えた。男だらけの潜水土木科に、アキに憧れて大勢の女子が入って来たことで、戸惑い、逃げ腰状態。教室に恥ずかしくて入れなくなった場面は最高傑作だった。
第7位 鈴鹿ひろ美のステージでマイクが外れ、電池が大巻太一のオデコに突き刺さった場面
クライマックスに近い場面での一節。音痴だった鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の影武者として吹き替えを行った若き日の天野春子だったが、海女カフェでのコンサートで音痴がバレて真実が暴露されることを恐れた春子が会場にダッシュして歌おうとしたが、途中でマイクが外れ、電池が飛び出し、それがスローモーションで太巻プロデューサーを直撃。真後ろに卒倒した場面は圧巻だった。
第8位 強かだが、町おこしに躍起になり周囲が見えなくなる観光協会と北鉄職員
いくつものイベントを企画&展開し、何とか寂れた町に観光客を呼ぼうと画策する北鉄の大吉と観光協会の面々。ミス北鉄コンテストやJJガールズ(後の潮騒のメモリーズ)に電車内でうに丼を売らせたり、お座敷列車を思案するなど、誘客のためには手段を選ばない。強かでしつこい面々。でもなぜか憎めない愛されキャラなのだ。
第9位 黙って娘の布団に入り込む黒川正宗
アキの父親でタクシー運転手の黒川正宗(尾美としのり)は、妻・春子から離縁を迫られ、東京からタクシーで北三陸にまで押しかけ、妻の実家に入り込んで生活し始める。そんな折、夜、アキが悪夢にうなされて飛び起きたら、隣りに父親が同じ布団に潜り込んで添い寝していた。「パパがついているから心配するな」と言われ、いったんは「ありがとう」と布団に入った後、お決まりのパターンで絶叫。駆けつけた春子や夏ばっぱに非難される始末。中学までは一緒に寝ていた設定だった。
第10位 夏ばっぱ、橋幸夫との再会に舞い上がる
昔、のど自慢大会で、大スターの橋幸夫に花束を渡し、デュエットした経験がある夏ばっぱ。孫娘のアキに会う名目で上京。ところが、鈴鹿ひろ美のはからいで橋幸夫に再会できることになり、おめかし。しかし、本人を前にしてのあのそわそわと慌てふためいた素振りは、一瞬で少女時代にあの当時に戻ってしまった。「いつでも夢を」は永遠です。
もちろんこれ以外にも傑作場面は数多くあった。海女カフェでの花巻珠子の扮装(不レディーマーキュリー)は大笑いさせて貰ったし、勉さんが水口に恐竜の化石の骨を先に発見されてしまい、新聞に掲載されたことを悔しがっている場面も傑作だった。いろいろな名脇役がそれぞれの持ち味を出していて良かった。誰に焦点を当ててスピンオフを描いても制作可能だったほど各出演者が個性に溢れていた。
「おまけ」・・・その他の名シーンはコチラ
さて、放送開始してから間もなく1年近く経過するが、未だに人気は根強い。DVDの売れ行きも好調で、レンタルコーナーも貸し出し中ばかり。私も今年の夏こそは、久慈市周辺のロケ地を巡りたいと考えている。このドラマは私たち被災者に勇気を与えたことはもちろん、過疎化や観光客現象の歯止め策や地域振興策の手がかりを与えてくれたと思う。三陸鉄道北・南リアス線の全線開通はまだまだ時間を要するが、このドラマで元気をもらい、再生と再興を誓った被災地の方々は大勢いる。ここでもう一度、この記事を読んでいただくことで、震災を過去の記憶や遺物にしないでほしいと思う。被災地の復興はここからが正念場なのです。
記事作成:1月14日(火)~2月25日(火)
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