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2014年8月16日 (土)

想い出のCM① ~ダイドー~

 以前、当ブログで「私が好きだったCM」というのシリーズ記事を計33回掲載した。テレビCMは時代を映す鏡のような役目を果たす。自分が何歳の時に流行ったCMとか、このCMを見ると、昔の自分を思い出すとか不思議な魅力を秘めている。そんな中、私が好きだったCMは「コカ・コーラ」と「JR東日本・東海」であった。しかし、両者に負けるとも劣らないほど大好きだったCMがあった。それはダイドードリンコ提供の若い男女が織り成すストーリー仕立ての名作だった。私も同じような恋愛時期を過ごし、出会いと別れを経験し、それが人生のある時期を鮮やかに彩り、そして様々な喜怒哀楽がそのシーンに刻み込まれている。まるで映画のひとコマのように・・・。今回新たに、不定期掲載ではあるが、シリーズ記事として、かつて一世を風靡した流行のCMを「想い出のCM」と題してお送りしたい。このシリーズでは、各企業や会社ごとに、秀作と言える作品を取り上げて行く。

 ではさっそく私が20代の頃に大好きだった想い出のCMをご覧ください。

 1 1991年 「歩いて行こう!」&「車で行こう!」 編

 ドリカムの「彼は友達」のBGMに乗せて、若い男女が一緒に遊んでいる日常、よくありがちな風景を映像化したもの。私は当時27歳。10名以上の仲の良いグループがあって、一緒に酒を呑んだり、カラオケに行ったり、ドライブやスキーにも行ったものだ。このCMを見るたびに、当時のことが色鮮やかに甦って来る。

 2 1993年 「恋」 「恋愛」 「愛」 編

 人生を実感するシリーズCMだった。中学時代は、ほのかに想いを寄せる甘酸っぱい恋愛感情を抱いた時期。好きな人に好きと言えないもどかしさ。恋は文字通り「下心」から始まる。
 20代の頃だろうか、就職し、経済的にも自由になるお金ができて、彼女とドライブに行ったり、映画を観に行ったり、デートを楽しむ時期。想い出が積み重なり、ふたりの恋愛感情も深まる時期。
 私は、25歳の時に、4つ下の女子大生と真剣交際をし、週末ごとにふたりでいろんな場所に出掛けた。彼女が女子大を卒業し、就職した途端に私も転勤があり、90km離れた遠距離恋愛に。毎晩電話し、その距離と会えない時間を埋めようと努力したが、徐々にその回数が減り、次第に疎遠となり、彼女に誘惑もあって、お互い結婚を意識し出した頃に、溝は深まり、出会いから2年半後に別れることになった。
 いよいよ愛。文字通り真心で相手を思いやり、受け止められる時期。結婚を意識し、プロポーズ。お互い人生の伴侶を得て、人生で一番輝いた時期だった。28歳で彼女と別れ、その傷が癒えないまま今の妻と出会い、かなり救われた。敢えて前の彼女と出掛けた場所を再訪し、想い出を新しい想い出で塗りつぶしていった。

 私はこの3部作の中では最後の「愛」が大好きだ。理由は辛い場面も思い出すが、自分の恋愛場面と丸かぶりだからだ。1990年代には、こうしたストーリー仕立ての傑作CMが多かったと記憶している。

 ところで、CMや歌には、人の記憶や想い出と結びつくものがある。それは若い時分の体験を雄弁に物語る。されど過ぎ去った時間は戻らない。時々記憶の片隅から引っ張り出して、懐かしく思い出す程度だが、時間の経過と共に詳細までは思い浮かばなくなっている。逆に忘れた部分は妙に美化されている。

 さて、今日は、自身のとりとめのない若かりし頃の想い出話に浸ってしまった。何もブログでカミングアウトすることもないのだが、心の奥底で、昔付き合っていた彼女が、今、幸せでいることを願っているからかもしれない。別れて1年くらいは、別れを選んだ自分自身の弱さを悔やんだり、その後も引きずっていたが、今では古き佳き想い出のひとコマとなっている。今はもう、話をすることも、再会することも叶わないが、25年前に、確かに同じ時間を共有していたことに感謝したい気がする。

 記事作成:8月4日(月)

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