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2014年11月 5日 (水)

「安達太良山」慕情

 「天高く馬肥ゆる秋」と形容されるこの季節、郡山の自宅から北の方角に目を向けると、青々とした雲ひとつなき秋晴れの空に、くっきりと聳え立つ山がある。その昔、遠き都会の片隅で故郷の空を想い、『東京には空がない」との名言を遺した高村智恵子が愛してやまなかった安達太良山(阿多多良山)だ。空気が澄んだ天空に聳えるその頂から、なだらかに連なる稜線は、まさに息を呑む美しさだ。

Chieko 彼女は、夫・高村光太郎が「智恵子抄」の中で書き記した通り、智恵子自身が「本当の空がある」と称した油井村(現在の二本松市)の造り酒屋の生まれ。実は私の母親とは切っても切れない縁がある。まず、智恵子が亡くなったのが1938年の10月5日。その僅か一週間前に母親はこの世に生を受けた。しかも姓は違えど、まったく同じ名前。しかも母親は二本松の「榎戸」という地名に実家があり、そこから戦後、郡山に嫁いだのだった。今でも母親の弟、つまり私の叔父がその古家を守っている。したがって、幼少期から、私は母の実家を訪れては、今は亡き祖父母と過ごすことが年に数回あった。もちろん、この時期に行われる提灯祭りでは、夜空を焦がす鮮やかな提灯行列を目の当たりにしたことがあるし、毎年のように華やかな「菊人形展」にも連れて行ってもらったものだ。私は、幼心の中にもしっかりとした記憶として残っている。

 さて、タイトルにも掲げた「安達太良山」を望む郡山からのベストポイントとして、安積野バイパスがある。安積町から郡山市街地方面に向かって国道を北上すると、「日本全薬」という巨大製薬工場がある。そこの緩やかな国道を登りつめると一気に視界が開け、真正面にくっきりとその全容を認めることができる。また、柴宮入り口交差点の先の、よく覆面パトが出没するオーバーパスの高架橋からも眺望できる。それはさながら絵葉書のような絵づらであり、類まれな荘厳な雰囲気を醸している。

 ではその優美な姿を画像で紹介したい。

Adatara

 いかがですか。名峰「安達太良」の一端を感じ取ることができるでしょう。これが数百年変わらぬ姿で、二本松の西方、勇壮に鎮座する、これが智恵子が愛してやまなかった阿多多良山の姿だ。青い空に良く映え、霊験あらたかな、神々しい様相を呈している。

 私自身は、真冬に、その裾野に広がる「安達太良高原スキー場」と「塩沢スキー場」に数回訪れ、滑りを楽しんだこと、たまに忘年会などで「岳温泉」に宿泊する程度だった。しかし、実母と何かと縁深い智恵子にとって、生涯、忘れえぬ土地柄であることを知り、見方が変わった。近くに住んでいるとあまり気にも留めないが、これほど自然が与える恵みを美しいものだと痛感するのは初めてだった。

 またスキー以外では、一気に8合目付近まで登れるゴンドラの車内で見る一面の紅葉は感動で言葉を失う鮮やかさだ。また、真夏の8月から紅葉シーズン前までの期間は「地上の天の川」と銘打ったイルミネーションイベントも訪れる観光客や恋人同士の目を楽しませてくれる。ゲレンデ一面に敷き詰められた無数の電飾が、夕闇に光り輝き、まばゆい美しさに圧倒されるはずだ。もちろん、春から秋までは多くの登山客で賑わうこの山だが、訪問者を飽きさせない工夫がさまざま凝らしてある。

Adatara_neon

 いかがです?あたかも天上の旅人のように、夢心地でうっとり酔いしれるパノラマが眼下に連なっているのだ。間違えてほしくないのは、この光景が見られるのはクリスマスシーズンではなく、夏から秋にかけて。あなたを夢の世界へといざなってくれることでしょう。カップル同士でゴンドラに乗れば、それだけで演出効果抜群。ロマンス成就はうけあい。

 あだたらエクスプレスは6人乗りで、全長は 1,500m。片道約10分の乗車で一気に標高差 400m を移動する。リフト料金は中学生以上が往復1人1,200円、4歳~小学生は往復1人700円。運行時間は19時~21時(金・土曜は21時30分まで)。

 それでは安達太良山の紅葉とウィンターシーズンを彩るスキー場の模様を動画映像で紹介したい。

https://www.youtube.com/watch?v=WNM3VvYz3vc (埋め込み処理無効)

 断わっておきますが、この映像は、私が撮影したものではありません。あしからず。
 20代の頃は、11月を過ぎ、麓に紅葉の便りが舞い降りる頃になると、来るべきゲレンデシュプールが待ち遠しくて仕方なかった。今はもう1シーズンに1回行ければいいほうで、寒さが苦手で腰痛持ちの私には、真冬のゲレンデに出向く元気が薄れてしまった。体力もおぼつかず、リフトを降り、コースを下りるまでに5回は休憩しないときつくなった。せっかく今年、ゲレンデによってはシルバー料金でリフトに乗れるのに、なんとも勿体ない。20代の頃、シーズン30回滑走を実現した若さと体力を取り戻したいものだ。

 記事作成:11月4日(火)

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