タッチが変わる漫画
人気があって長く続く漫画は、不思議と連載開始後のタッチと現在のタッチを比較すると、かなり描き方が違う。主人公や登場人物のキャストはもちろん、風景画や背景画すらかなり異なっている。これはテレビでアニメ化されたり、人手が足りず、弟子をとり、スタジオ化してプロダクションで分担して漫画を描くようになったため、漫画家自身のタッチがズレて来たせいかもしれない。では、私が思う、人気漫画の中で、絵づらが劇的に変わったものを幾つか取り上げて比較してみたい。その差に愕然と来るに違いない。
美味しんぼ
私の実家にはこの漫画が連載をスタートした直後からずっとコミックがあった。兄が大好きで、その影響で私も読み始めた。私自身はひと回りサイズが小さくて分厚い集約本が揃っている。東西新聞社の山岡史郎と栗田ゆう子がコンビを組み、究極のメニュー作りに取り組む傍らで、宿敵・海原雄山と対決する。水と豆腐の試験の第一話から30年以上が経過。今でもスピリッツに連載が続いているが、まるで別人のように、かなりその絵づらが違う。
こちら葛飾区亀有公園前派出所
私の家にはトイレにも置いてあるし、縮刷版、大入り袋、セレクションなどもある。おそらくは100冊以上ある。それこそ山上たつひこというペンネームでデビューした頃、つまり私が学生時代からのファンで、警察官が主人公でありながら、ルール無視、なりふり構わぬ行動で周囲とドタバタ劇を繰り広げる両津勘吉のキャラ設定も凄いが、彼を取り巻く多くのナイスキャラも秀逸している。大原部長、中川、麗子、本田など毎話、腹を抱えて笑ってしまう。アニメ版や香取慎吾主演で実写版なども制作された。現在は秋本治である。
サザエさん
国民栄誉賞を授与された故・長谷川町子が手掛け、半世紀を経た今も国民的な漫画として人気がある。磯野家を取り巻く家族関係を描いた漫画で、温かい家族の絆や人間模様を描いた。登場人物が波平、フネ、サザエ、マスオ、カツオ、ワカメ、タラちゃんと海に関するネーミングが親近感を覚える。
ドラえもん
こちらも国民的人気を誇る漫画。藤子不二雄の代表作で、日本だけでなく、全世界に翻訳され、子供たちの人気をさらっている。こちらも棒にも箸にもかからないようなダメキャラののび太と彼を支えるために未来から送り込まれたネコ型ロボットのドラえもん、ガキ大将のジャイアン、マドンナの静香ちゃん、そして金持ちのスネ夫。こちらも子供同士の遊びから人間関係を学び、子供の頃にありがちな喧嘩や日常を通して成長する場面を描いている。
ちびまる子ちゃん
こちらも「さくらももこ」原作の国民的な漫画だ。今でも毎週日曜日になると楽しみにしている方は多いだろう。テレビアニメは、私が社会人になりたての頃に始まったが、もう25年以上も続いている。作者の子供の頃の出来事やエピソードを描いたもので、秀樹や百恵、リンダなどが劇中に登場する。学校生活では、個性的な同級生や優しい先生との触れ合いが描かれ、家庭では、やはりアットホームな話が展開する。私は友蔵の心の俳句が大好きだ。
ルパン三世
私が中学時代以降、大好きで毎週見ていた。当時は18時から30分間テレビアニメとして放送していた。その後、映画化され、大掛かりな仕掛けで人気が沸騰した。「カリオストロの城」や「マモー」は何回放送され、何回見たかしれない。主役のルパン三世を取り巻くキャストも最高。拳銃の名手・次元大介、斬鉄剣の使い手・石川五右衛門、魅惑の美女・峰不二子と最強。そして彼を地の果てまで追って来る「とっつぁん」こと銭形警部のナイスキャラ。世代を越え、愛されるモンキーパンチの名作だ。
名探偵コナン
「体は子供、頭脳は大人」の名キャッチフレーズで有名となった「名探偵コナン」。工藤新一は、黒ずくめの男たちに薬を飲まされ、小学生の子供にさせられた。しかし、少年探偵団の子供たちと共に、難事件の解決に挑む。博士が開発したスケボーやサッカーボール、麻酔銃の腕時計を駆使し、時には「眠りの小五郎」の代わりとなり、類まれな推理力を駆使し、大胆に真相に迫る。いつになったら、元の姿に戻り、恋人・蘭との愛は成就するのか。
いかがでしたか。連載スタートから現在まで、めまぐるしくそのキャラの描き方が違っていることに気づく。人気が出れば、それだけ息が長いロングラン作品となり、少しずつタッチも進化する。もちろん、今日挙げた人気漫画はほんの一握りで、もっと数多くの人気漫画も劇的な変化を遂げている。実際にこうして見比べるとその違いが鮮明になる。
記事作成:11月8日(土)
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