巨人の歴代外国人成績(投手編)
私がV9時代から長年ファンを続けて来た巨人は、どういうわけか昔から外国人助っ人に恵まれない。戦前のスタルヒンや戦後まもなく活躍した与那嶺要やは別として、本格的に助っ人を獲得しだした昭和50年以降、巨人が自ら獲得した外国人(国内他球団からの移籍を除く)で誰もが賞賛すべき成績を残した選手はほとんどいない。この賞賛すべき成績とは、投手なら12勝以上、打者は打率3割、30本塁打、90打点以上だ。
他球団の助っ人には数多く存在するこの成績を何故か達成できない。今年もキューバの怪物セペダも開幕から20試合、18打数無安打という散々な成績だ。その代役として急遽獲得したフランシスコは論外。
では、巨人に来た歴代の外国人助っ人の戦績を比較したい。
投手
名 前 時期 年数 登板数 勝利 敗戦 セーブ 勝率 奪三振 防御率 採点
ライト 1976 3 59 22 18 0 .550 142 3.97 △
クルーガー 1979 1 18 2 1 0 .667 16 4.66 ×
カムストック 1985 2 24 8 10 0 .444 94 4.47 ×
サンチェ 1986 2 76 4 4 28 .500 59 2.54 △
パセラ 1987 1 登板機会無し ×
ガリクソン 1988 2 41 21 14 0 .600 231 3.29 ○
1970~80年代の外国人投手で、唯一評価できるのは1988年のガリクソン。14勝9敗という好成績を挙げた。しかし翌年は7勝5敗で、2年後にはMLBに戻った。
名 前 時期 年数 登板数 勝利 敗戦 セーブ 勝率 奪三振 防御率 採点
ケアリー 1992 1 14 0 0 1 .000 35 3.61 ×
ペレス 1992 1 3 0 1 0 .000 6 7.11 ×
ジョーンズ 1994 2 1 0 0 0 .000 0 0.00 ×
趙成珉 1996 8 53 11 10 11 . 524 127 2.84 △
ガルベス 1996 5 106 46 43 0 .517 443 3.31 △
ブリトー 1996 1 39 3 2 19 .600 43 3.33 △
ヒルマン 1997 2 2 0 1 0 .000 3 3.00 ×
パブラス 1997 1 7 0 0 4 .000 4 6.00 ×
ホセ・パラ 1999 1 12 2 3 0 .400 25 5.32 ×
デセンス 1999 1 8 0 1 0 .000 6 3.86 ×
メイ 2000 2 50 22 15 0 .595 333 3.55 ○
鄭チョン 2000 2 12 3 2 0 .600 44 3.70 ×
1991~2000年の10年間で、巨人の投手で及第点はダレル・メイのみ。メイは巨人の前に2年間阪神で活躍したが、阪神在籍は39試合登板で10勝16敗だった。
名 前 時期 年数 登板数 勝利 敗戦 セーブ 勝率 奪三振 防御率 採点
アルモンテ 2001 2 31 0 1 1 .000 23 2.28 ×
ラス 2003 1 13 3 4 0 .429 42 4.14 ×
ベイリー 2003 1 30 1 0 0 1.000 32 4.79 ×
ランデル 2003 2 27 4 3 1 .571 47 5.88 ×
サンタナ 2003 2 25 2 1 5 .667 21 4.94 ×
ペドラザ 2003 1 7 1 1 0 .500 0 12.00 ×
シコースキー 2004 2 132 12 4 5 .750 183 2.99 ○
コーリー 2004 1 21 1 1 0 .500 17 5.48 ×
ミセリ 2004 1 4 0 2 0 .000 3 23.62 ×
マレン 2005 1 22 6 8 0 .429 80 6.22 ×
ミアディッチ2005 1 15 0 0 0 .000 29 7.17 ×
姜ジャン 2005 4 27 5 6 0 .455 61 3.20 ×
グローバー2006 1 20 5 7 0 .417 63 4.97 ×
パウエル 2006 2 35 10 12 0 .455 151 3.76 ×
2001~2010年では、巨人入団前の4年間ダイエーで抑えの守護神として117Sを挙げたペドラザが、巨人移籍後はまったく振るわず。この頃は、在籍1年の鳴かず飛ばずで終わった外人投手が大多数。即戦力で結果が求められる。そのために高額年俸を払う。結果が出なかったら、規模しいが即レイオフはプロ野球には当たり前。巨人に来る外国人は前評判とは裏腹で、期待はずれが多すぎる。だから覚えていない選手が大部分。
名 前 時期 年数 登板数 勝利 敗戦 セーブ 勝率 奪三振 防御率 採点
ゴンザレス2007 1 5 1 2 0 .333 17 6.52 ×
オビスポ 2007 4 30 8 4 0 .667 71 3.67 △
林イーハウ 2010 4 2 0 0 0 .000 2 12.60 ×
クルーン 2008 3 159 6 10 93 .375 221 2.56 ○
グライシンガー2008 4 71 31 22 0 .585 307 3.45 ○
バーンサイド 2008 2 15 5 3 0 .625 47 3.48 △
ロメロ 2009 4 48 2 3 11 .400 46 2.72 △
黄 2010 2 3 0 1 0 .000 6 10.57 ×
トーレス 2011 1 6 1 2 0 .333 19 6.26 ×
アルバラデホ2011 1 46 2 2 2 .500 44 2.45 △
バニスター2011 1 登板機会無し ×
ブライト 2011 1 3 0 0 0 .000 0 2.45 ×
この頃はFAや自由契約による高額年俸で、日本の他球団で活躍した外国人を移籍させる手法が定着した。しかし、クルーンにしても前在籍の横浜のほうが成績は良かったし、グライシンガーもヤクルトでの成績のほうが遥かに良い。巨人に来てダメになる典型例。
名 前 時期 年数 登板数 勝利 敗戦 セーブ 勝率 奪三振 防御率 採点
マシソン 2012 3 167 10 8 40 .556 200 2.19 ○
ホールトン 2012 2 43 21 12 0 .636 199 2.96 ○
アコスタ 2013 1 14 1 0 0 1.000 12 5.54 ×
セドン 2014 1 10 4 5 0 .444 37 6.40 ×
メンドーサ 2014 2 前季転入 実績なし
ホレダ 2015 1 今季転入 実績なし
マイコラス 2015 1 今季転入 実績なし
今日は、思いのほか投手だけでスペースオーバーになってしまい、これにて記事をいったん差し止め、明日に打者編をお送りしたいと思う。
それにしても巨人が獲得する外国人は使い物にならない、いわゆるポンコツだらけ。48名の投手をピックアップしたが、及第点(○印)を付けたのは僅かに5人。◎印は皆無。それ以外の43人は、お世辞にも額面通りの活躍などしていない。ハッキリ言って給料泥棒だ。これには巨人なりの悪しき理由がある。高い契約金を支払って連れて来た割に、その高給に満足してしまい、ハングリー精神が欠如し、己の腕一本で勝負して、実績を上げて給料を上げようという気構えが薄い。だから年俸以上の仕事をしたいという気が薄れてしまうのだ。やはり歩合制にしないと人間、お国柄に関わらず堕落することの証明でもあるように思う。外国人選手も考え方は、メジャーや3Aよりも劣る日本へ出稼ぎ的な感覚でやって来る。ジャパンマネーを稼ぎ、1~3年程度で戻るという概念があって、あまり思い入れがない。自分の成績が振るわなくても、ちまちました日本の野球(スモールベースボール)に自分が合わなかったくらいの話で、いつでもMLBに帰れるという感じなのだろう。
さて、巨人へやって来た外国人助っ人のふがいなさをご覧入れたが、それは巨人ならではの問題点もある。それは昔から巨人は球界の盟主で、その規律の厳しさも外国人の個性を摘み取ってしまう一因だ。金髪や長髪、髭すらも許さない超絶エリートの紳士集団。ゆえに型にはまった野球になりやすい欠点がある。入団した段階で持ち味を殺いでしまう。
一方、外国人の実力分析に優れていて、獲得が上手い球団は西武、中日、ヤクルト、ロッテだろう。これまで優秀な選手の獲得を幾度も実践してきた。この違いは何なのか?まぁスカウトの見る目、つまり眼力不足だ。過去の実績重視ではなく、日本で通用するか否か、よく観察してから連れて来てもらいたいものだ。
明日は打者編をお送りします。
記事作成:4月20日(月)
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