郡山の魅力再発見!25~郡山の起死回生策~
郡山という土地柄は、江戸時代までは奥州街道の宿場町として栄えたが、明治時代に入ると、安積開拓と疎水工事のためにオランダの技師・ファンドールンが尽力し、さらには遠く九州・久留米から工事のために多数入植した。そんな歴史的背景もあって、昔から人の交流は活発に行われ、戦前は化学工場を中心に栄え、戦後は商業が発展し、独自の経済発展を遂げ、産業都市として繁栄を極め、現在では「中核都市」に昇格した。
そんな我が街・郡山だが、震災以降、活気が失われていたが、ここに来て奇抜にして独自の打開策と言おうか、あるいは起爆剤とも言うべき起死回生策を仕掛けて来た。それは生き残りをかけた死活問題であると同時に、郡山の未来永劫の繁栄を模索するものでもあった。然るに、その戦略を今日は紹介したい。
1.食の打開策
郡山のグルメと言えば、酪王カフェオレとクリームボックスぐらいなものだった。最近、いつ生まれたのか誰が作ったのかすら不明で、なおかつどこから火がついたのか疑問だが、「グリーンカレー」なる新名物が誕生した。まるで札幌の「スープカレー」をパクッたかのような俄かブームで、おそらくは、しがない洋食屋(カレー屋)が勝手にブーム化しようと企てたに違いない。確かに、郡山市にはこれといった食に関する代表格は無かった。盛岡わんこそば&冷麺、秋田きりたんぽや比内地鶏、仙台の牛タンなどと比べて、名物らしきグルメは皆無だった。県内では福島の円盤餃子、喜多方&白河ラーメン、浪江焼きそば、会津の味噌カツ、こづゆなど、どこにもローカルフードやB級グルメらしき食べ物はあるのだが、郡山に何も無いのは寂しい。というわけで、誰が起爆剤となったかは定かではないが、郡山のソウルフードに仕立てあげ、何とか名物化しようという苦肉の策の意図はひしひしと感じられる。
グリーンカレー
では、その「グリーンカレー」とはいかなる食べ物で、レシピは何で、どこに行けば味わえるのか?その元祖と呼ばれる郡山発祥の店はどこにあるのか?まさか郡山市が主導して名物を作り上げようとしたのではあるまい。よもや色が緑であれば何でもかんでもグリーンカレー呼ばわりするのは早計というもの。そのへんをネットを駆使しあちこち調べてみた。
郡山の新名物として登場した「こおりやまグリーンカレー」。商工業都市として有名な郡山は、実は緑豊かな農業地帯でもあります。四季折々の自然の恵みを家庭料理の代表であるカレーでPRしようと「こおりやまグリーンカレー」が登場した。趣旨に賛同した飲食店などで、郡山グリーンカレー愛好会を結成。地元の人に愛されるカレーを作ろうと各店舗がそれぞれ特徴的なカレーを提供している。街の新名物としてスタートしたこのカレーは、自分たちのまちを愛する地元の心が作り出したあたたかい味です。(郡山市の公式HPより)
https://www.city.koriyama.fukushima.jp/shise/citysales/kankou/taberu/greencurry.html
郡山のグリーンカレー提供店
「プチグリーン」(郡山市駅前2丁目) けるぷ鶏つくねのプチ・グリーンカレー:800円
「SPOON」(郡山市中町) サワッディーグリーンカレー(ディナー・単品):950円
「オレンジペコ」(郡山市麓山1丁目) オレンジペコのグリーンカレー:850円
「CLUB#9」(郡山市駅前2丁目) グリーンカレー:500円
「郡山トンチキてい」(郡山市桑野3丁目) グリーンカレープレート:1000円
「ロイヤルインド錬ストラン」(郡山市台新1丁目) ロイヤルグリーンランチセット:950円
「コーヒーハウストレール」(郡山市虎丸町) 郡山グリーンカレートレール風:1600円
「エルマール」(郡山市八山田3丁目) 薬膳グリーンカレー:980円
これだけ多くの店がグリーンカレーを提供し始めた。本腰を入れて名物にしようと画策している。
2. 郡山鯉物語
郡山の名産のひとつに養鯉業がある。一節では「日本一」の生産量を誇るという話があるが真偽のほどは判らない。阿武隈川や逢瀬川で大型の鯉が獲れるなどという話は聞かないし、何故郡山が鯉の産地になったのか?不思議で仕方ない。そこで調べてみた。
明治の初期、現在の郡山市発展の礎である安積開拓により各地にかんがい用のため池が作られ、安積疏水により引かれた猪苗代湖の水が不毛の原野を緑豊かな田園地帯に変えました。これらのため池を利用し郡山では鯉の養殖が盛んに行われるようになり、現在では全国でも有数の生産量を誇る産地になっています。(以上、郡山市の公式HPより)
現在、郡山市の鯉の漁獲量は年間約550トン(実際には、約600トン:県の生産量の約7割)であり、福島県の平成25年の養殖量は全国第1位を誇ります。(広瀬養鯉場HPより)
https://www.city.koriyama.fukushima.jp/242000/nogyo/koi.html
主な鯉の養殖場は、郡山市西部のカルチャーパーク周辺に固まっている。郡山南ICに向かうアクセス道路を走っていると、道路沿いに巨大な鯉のオブジェが現れるので、一目でそれとわかる。養殖といえ、観賞用のいわゆる錦鯉だけではなく、主力は食用として卸している。鯉料理と言えば、「鯉うま煮」もあるし、「鯉甘露煮」もある。詳しい作り方は以下の「広瀬養鯉場」さんのHPをご覧ください。
http://www.hirose-koi.com/kakou/hirose-kakou.html
私が11月にこの記事を執筆したら、師走に入り、市が「郡山鯉に恋するプロジェクト」をテレビの「週刊トピックス」や県内ニュースで、大々的にPRし始めた。私が目をつけ、記事にしたものが、注目されるというジンクスはずっと生きている。
3. 郡山にワイン工場?
福島県主導の「果樹農業6次産業化プロジェクト」によって、果物の産地・福島を再PRするために三菱商事復興支援財団が出資した「ふくしま逢瀬ワイナリー」が竣工・落成し、この度ワインやリキュール醸造を開始した。単に商品化することを目的にするだけでなく、地元の雇用拡大にも一役買っている。
市内逢瀬町に醸造施設を建設、果樹の生産、加工、販売を一連のものとし、地域農業者と連携した果樹農業の新たな6次産業化モデルの構築、地域の賑わいの創出を目指す。ふくしまワイナリーでは、既に福島県で生産が盛んな生食用果実(桃・なし・リンゴ)の活用を図ると共に、新たにワイン用ぶどうの生産農家を育成し、リキュールやワインの製造・販売を行います。
放射線量が0.1μsv/hと大幅に下がり、市内各地の除染作業が進み、食の安全が確保されつつある中での復興策施行となった。もとより郡山市逢瀬町多田野地区は「ぶどう」畑が多く、産地としての利点を活かせる施設が誕生し、果樹園農家を始め、関係者は活気づいている。
最後に、郡山をPRするCMを紹介します。
記事作成:11月25日(水)
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