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2017年12月 6日 (水)

短編小説② ~ Wショック ~

                         「Wショック」

 「あなたは優しすぎるわ・・・」
 
 そう言い残して彼女は俺の前から去っていった

 出逢った頃「優しい男の人が好き」って言ったから
 俺はありったけの愛情を注ぎ、優しく彼女に尽くした
 
 誕生日には 彼女が「欲しい」と言った洋服や時計
 イヤリング そして指輪まで買ってプレゼントした
 
 「旅行に行きたい」と聞けば 苦労してオシャレな
 ペンションや「美味しい」と評判のレストランを予約し
 彼女の我がままを許し 彼女の望みを何でも
 叶えてあげようと頑張った

 なのに彼女はまるで捨て台詞を吐くかのように
 さも俺のほうに問題があるかのようにまくし立てて

 
 私はショックのあまりしばらく立ち直れなかった
 一体自分のどこが悪いのかと思い悩んだ

 いたたまれなくなり 僕はこのことを親友 K に話した

 すると彼は

 「お前の良さをわからん女なんかとは
 付き合わなくて正解だろ」

 「貢がせるだけ貢がせておいてなんて奴だ」
 「お前は騙されてたんだよ」
 「そんな無情な女、別れてよかったんだよ」
  
 そう言って傷心の俺を慰めてくれた

 Kの言葉を真に受け

 「女なんか誰も同じだ 勝手なことばかり言いやがって」 
 「もう二度と彼女なんか作らねぇぞ」と心に決めた
 

 Kのおかげで俺の心はほんの少しだが安らいだ

 あれから数ヶ月が経ち 街角にはクリスマスキャロルが
 流れ 多くの人が繰り出す賑やかな季節を迎えた
 
 色鮮やかなイルミネーションに彩られ、恋人たちが
 闊歩し 街はクリスマスムード一色に染まった

 彼女との想い出を探しに、私はひとりでふらり街に出た

 彼女と待ち合わせした駅前のツリー ふたりきりで
 パーティーをするためにシャンパンやケーキを買いに
 入ったお店、プレゼントを求めたジュエリーショップ

 彼女の面影やぬくもりを探して
 俺は街をあてもなくさまよい歩いた
 
 女々しいかもしれないが 
 まだ俺は彼女のことを忘れずにいた

 その時だった 私は通りの向こう側に異様な光景を見た

  
 そこには手をつなぎ、楽しげに歩くひと組のカップルがいた

 見覚えのある顔立ち、そしてあの洋服

 それはなんと紛れもなく元カノとKの姿だった・・・

 「そういうことだったのか・・・」
 
 その時 私はすべてを悟り、すべてを理解したのだった

 その冬 俺は彼女と親友のふたりをいっぺんに失った

 記事作成:11月30日(木)

 
   

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