釣り談義④ ~私の釣法の変遷 Part2~
3.ウキ(フカセ)釣り
釣り歴3年目に入ると余裕が生まれ、欲が出てきた。もっといろいろな釣法を試してみたくなったのだ。私に釣りを教えてくれたS氏の影響が最も大きいのだが、ウキ釣りなるものにチャレンジしたくなったのだ。そのきっかけは、相馬の沖堤防でインターラインの磯竿にサビキ仕掛けで実釣していたところ、隣りで様子を見ていたクロ釣り師から「それじゃ何も面白くないべ」と言われたことにある。その時は、「何なんだこのオヤジ、喧嘩でも売ってんのか?」くらいにしか感じなかった。しかし、ひたすらクロダイを目指し、撒き餌を繰り返すS氏の傍らで、無性に興味を掻き立てられた。また、TV「ザ・フィッシング」のグレ釣りにも少なからず感化された部分もあった。ウキ釣りの導入がここまで遅れた原因は、仕掛けを作るのが難しそうで、海に撒き餌して捨てるので無駄が多く、勿体なく感じたからだ。更にバッカンがコマセや集魚剤で汚れ、洗浄にひと苦労を強いられることも容易に想像できたからだ。いろいろと紆余曲折はあったが、釣り具屋のアドバイスを貰いながら、タックル一式を揃え、いざ初陣へ。決戦の場は中之作沖堤防。その日は秋分の日ということもあって、乗船者はたったの4名。防波堤に着くやいなやイチ早く北側の先端をキープ。ここからドラマが始まった。
はやる気持ちを抑えて、一旦ここでウキフカセ釣りのタックルを紹介しておこう。3~4号の道糸に、順番にウキ止め、シモリ玉、2B~2.0号の円錐ウキ、そしてカラマン棒を付けていき、その下にサルカン、それからハリスと釣り針を結ぶ(私は下手なのでカットチヌという1.6mのハリスとハリがセットになったものを使う)ことになる。チヌバリは2~4号がメイン。そして、そのハリを海中に沈めるために、そのハリスの途中に2B~4B程度のガン玉を打つ。これがいわゆるウキ釣りのオーソドックスな遊動仕掛けと言われる物で、ウキ止めとカラマン棒の間をウキが上下し、タナを調節できる寸法だ。これは慣れるまでは仕掛けづくりの順番を間違えたり、オキアミをハリに付けるのに結構神経を使う。ハリをすっぽり覆い隠すようにエビに通すのだが、これがなかなか難しい。腹がけや背がけ、抱き合わせがけなどがあり、餌の付け方が甘いとラインの送り出しの際にすぐに外れてしまう。以上がウキ釣りの基本形だが、この釣りは当たりをウキの動きや沈み込みでとるのでわかりやすい。その後、インターローカルTVの「我ら釣りキング」を手本とし、ウキ止めを排除した全層釣法に移行した。しかしこの釣り方は、すべてのタナを探れる反面、魚がハリ掛かりしてもウキが沈まないため、当たりを取るのが非常に難しい。また、常時ラインを指で保持して当たりを感じる(体感ショックというネーミングがついている)ので複数の竿の面倒を見れないという欠点がある。餌は原則オキアミで、あとはターゲットに応じて短く切ったイソメを用いる。
さて、中之作沖堤の実釣に話を戻すと、ウキ釣りのファーストヒットはサバだった。長さ38cmの良型だった。青物のサバは、ハリ掛かりすると横走りが凄く、弾力のある柔らかな1.5号の磯竿がグングンしなった。竿を持つ手にビンビン反応が伝わり、感触がこれまで体感した釣りとは一味違ってこれは面白い。魚と直接対峙している感覚があって病みつきになりそう。でも、その時困ったのは、中之作の沖堤は海面までの高さが結構あって、手持ちの5.4mの玉網が届かず、抜くこともできず右往左往した。一人で玉網入れするのも、この時が初体験だった。結局、この日はフカセだけでサバ6尾(ヒットは10尾)、メバル5尾の満足のいく釣果が得られた。何か釣りの可能性が広がったことを実感した釣行となった。相馬のオッサンが言っていたのは、恐らくこういうことだったのかと妙に納得した。
続いて訪れたいわき・サンマリーナのテトラ付近でも、自身初となる40cmオーバーのアイナメをこのウキフカセでゲットした。そのアイナメはお腹に卵を抱えたメスで、竿が半円状に大きくしなった。この時も玉網が近くにない状況下でのヒットで、魚を引きずりながら移動させて玉網入れ(これも届かずひと苦労)となった。これを教訓とし、直後に7.2mの超ロングの玉網を購入したのは言うまでもない。その年を皮切りにウキ釣りにもちょくちょく手を出してはいるが、撒き餌をすると餌獲りがわんさか群がり、ことごとく餌を持って行かれてしまことから嫌気がさしてしまい、次第に疎遠になっている。その翌年に小名浜の沖堤防メバルとメジナ、請戸でボラを複数枚上げて以降、パッタリと釣果なし。現在は、毎回竿ケースに仕掛けをセットした状態で釣り場に持って行っているが、出番は少なくなっている。故にここでは1釣果らしい報告は出来ないのが現状。恐らくこれは好みの問題なのだと思う。磯竿は計4本所持しているが、そのうち2本は一度も使用したことがない。
4.ブラクリ釣り
これはアイナメやソイなど岩礁帯や根に棲む魚(根魚)を対象とした釣り。当然根周りを攻めるため、根ズレや根掛かりは必至。その対策として登場したこの釣法は、オモリに特徴がある。道糸を直接仕掛けのちわわ結びの輪に括りつけ、錘とハリが波で揺らがないようにつながった構造をしている。しかも錘は2~5号程度で色はアイナメが好む赤色。錘の真下に針がセットになっていて、私はOWNERバリというメーカーが販売している4号3個セットで294円の物を購入して、毎回使用している。主な使い方は、針にイソメやソフトルアーをぶら下がるようにして刺し、タナは道糸で調整。錘が軽い分、投げには向かず、防波堤に沿って真下に垂らし、際に着く魚を狙う。一見シンプルだが、堤防にへばりつく魚は意外に多く、私自身、この仕掛けを使って相馬の沖堤で、30cmのアイナメや23cmのでかメバルを釣り上げた。新潟東港でも20cmを超えるカサゴを立て続けに2尾釣ったことがある。この釣りは、根周りを探る分、そこに潜み、隠れ家にしている魚たちを結構高い確率でゲットできてしまう。元々ブラクリはテトラとテトラの間に落とし込む、いわゆる穴釣り用に開発されただけあって、アイナメ、ソイ、タナゴ、ドンコもターゲットとなる。このブラクリと似た造りでブラーというのも存在する。錘からハリまでの間が多少空いていて、錘が薄くカーブしていて、それをうまく波に漂わせることで魚の食い気を煽る仕組みだ。
5.ルアー釣り
最後は昨年から始めた、どちらかと言えば新しい釣法となるルアー釣り。私には縁がない釣りだと敬遠していたきらいがある。きっかけは昨年のゴールデンウィークに新潟東港大突堤での話。私が何とかブラクリでカサゴを2尾釣り上げたものの、その後ぱったり釣果に恵まれず四苦八苦している傍で、私の両サイドに入って来たルアーマンが、立て続けに45cm前後のサワラをヒットしては、キャッチ&リリースする場面に出くわしたのだ。こんなに簡単に大物がゲットできる釣りを見逃す手はないとばかりに、早速行きつけの釣り具屋Kでいつもの仲良し店員Sさんに竿を選んでもらった。そして購入したのがメジャークラフト製でシーバス用の9フィートのルアー竿。値引きが利かないらしく、15,800円也。私が持っている竿の中でも一番高価な竿となった。ルアーの醍醐味は、フィッシュイーターをターゲットにする点。従って当たれば大物となる。スズキ、カンパチ、ヒラメ、マゴチ、クロダイ、イナダ、サバなど。また、ルアー釣りの魅力はその種類の多さだろう。スプーン、ミノー(シンキングタイプ・フローティングタイプ)、ジグ、ワームなどのソフトルアー、エギといった疑似餌をTPOに応じて使い分け、ジギング、エギング、メバリング、アジング、ロックフィッシュというようにターゲットごとに様々なアクションを駆使して魚に食いつかせ(または引っ掛け)るのだ。残念なことに、ルアー導入後2年目の今年まで、未だ釣果ゼロというお寒い状況が続いており、自分にとって縁遠い釣りになってしまっている。今年お会いした地元のルアーマンは、ポイントを知り尽くしていて、その道の人なら誰でも憧れるシーバスを何匹もゲットしているつわものだ。私も今後、彼を手本とし、場に応じた適切なルアー選び、ロッドのしゃくり方やルアーアクションなど鍛錬を重ね腕を磨いていきたい。
以上が、これまで7年という短いキャリアの中で、私が実践した各種釣法の数々である。今後は、更に未体験ゾーンに足を踏み入れてみたい。中之作漁港やアクアマリンで地元の釣り師がよく実釣しているテンヤを使ったタコ釣りや太平洋は魚影が薄いようだが、何れかのフィールドでアオリイカを狙ってエギング釣法を取り入れてみたいとも思っている。このように釣りの手法は多種多様にある。まだまだ未知の釣り方も沢山存在することだろう。やればやるほど釣りは奥が深いことに気づく。真剣に魚と向き合い、表層、中層。底物とタナの違いで仕掛けを使い分けたり、季節や波の状況、潮汐の具合、時間帯によって釣れる魚も異なるし、フィールドやポイントによって釣果に差が出る。知れば知れば嵌まるのが釣りの面白さなのだろう。最近は、魚の数が激減し、防波堤の釣り(陸っぱり)では、狙い通りの魚を釣り上げることは至難の業のようだ。そこであれやこれや知恵を絞り、思案を重ね、工夫を凝らす、これがまた楽しい。自分が選んだ仕掛けが大当たりした時の気分は最高である。「自分のやり方はやはり間違いではなかった。魚に通用したんだ」という一種の征服感や達成感に満ち溢れる。これだから釣りは止められない。私が「ようこそ釣り天国へ」なるホームページや当ブログを立ち上げたのも、自分が趣味として行ったことを記録として残したいがためであるし、また、釣りを通していろんな釣り師と交流し、友達になれたらこれ幸いである。お陰さまで少しずつ、当ページも認知度が高くなってきたのか、アクセス数が日増しに増えて来ているのを実感している。恐らく一両日中には4万件を越える見込みだ。実に有り難いことだ。また今年は、釣り場で声を掛けられる機会も一気に増えた。何よりである。こうした出会いをこれからも大事にして行きたいと思う。それを毎回当ホームページをご覧いただいた方にお誓いすると共に、今回も当ブログをご精読頂いた方々に感謝しながら二日連続に渡ってお送りした、釣り談義「私の釣法の変遷」を閉じたいと思う。
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